【五輪の花】バスケ大崎佑圭、バレー新鍋理沙の引退決意…東京五輪1年延期の重さ

新鍋理沙さん
新鍋理沙さん

 「時間がたつのは早いな」と感じることが多い。ついこの間、取材に行った感覚の平昌五輪はもう2年も前。コロナ禍の今年も9月に入り、残り3か月で2021年になる。普通に過ごしていると「1年は早いな」と思う。だが、新型コロナの影響で東京五輪が延期となり、改めてアスリートを取材すると、選手にとっての「1年」がどれだけ重たいものかを感じた。五輪の延期決定後、「準備期間が増えた」「さらに強くなれる」と前向きに捉える選手が多かったなか、引退を決断した選手もいた。

 バスケットボール女子日本代表で16年リオ五輪8強入りに貢献した大崎佑圭(30)は、五輪出場を目指して1月に産休から復帰したものの、8月上旬にSNSで「バスケット人生に終止符です」とつづった。

 五輪が1年延び、引退を決断する前から「モチベーションは下がっている。気持ちが1年持つかどうか」と揺れていた。金銭面、家事、育児の問題が全てクリアになっても「やらないと思う。1年の大変さをよく知っている。東京五輪に向けて気持ちを保つことは難しい」と精神面の厳しさを理由に挙げていた。女子バスケを世界トップクラスまでけん引してきた大崎の言葉だからこそ、1年間かけて世界と戦うには相当な心のエネルギーが必要なのだと改めて感じた。

 バレーボール女子の日本代表で12年ロンドン五輪銅メダルの新鍋理沙(30)も突然の引退だった。19年W杯も代表として活躍し、東京五輪候補メンバーにも選出されていた。4月に右手人さし指を手術したことも大きかったが、一番はメンタル面。「1年後に納得する姿でプレーしている形が想像できなかった。絶望というか、私にとっての1年は少し…とても長く感じた」と明かした。

 競技人生から退く選択をした選手の思いを聞くと、より一層、アスリートの「1年」の大きさを知り、365日、競技に打ち込むことは言葉で表せないほどの覚悟、決意、熱意を必要とするものだと受け止めた。

 ◆小林 玲花(こばやし・れいか)サッカー「ドーハの悲劇」と同じ1993年10月28日、福井市生まれ。26歳。小学3年から高校3年までバスケットボール部。2016年入社。バスケ、体操、スポーツクライミングなどを担当。

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