AI研究の先駆者・豊島将之竜王が対人研究再開の意向「人間同士で指すプロセスを入れてみる」

豊島将之竜王(代表撮影・将棋日本シリーズ総合事務局)
豊島将之竜王(代表撮影・将棋日本シリーズ総合事務局)

 将棋の豊島将之竜王(30)が12日、東京都渋谷区のスタジオ「シャトーアメーバ」で行われた第41回将棋日本シリーズJTプロ公式戦2回戦で藤井聡太2冠(18)=王位、棋聖=に勝利し、準決勝に進出した。対藤井2冠戦は公式戦5戦全勝。若きスーパースターを相手に貫禄を見せている。

 感想戦終了後の単独会見で豊島竜王から興味深い発言があった。発売中のスポーツ誌「Number」のインタビューにおいて、諏訪景子氏の取材に対して明かした「対人研究の再開」について考えを述べた。

 豊島竜王は現在の将棋界の常識となったAI研究の先駆的存在。もともとは関西棋界の若手トップとして、棋士同士の研究会やVS(練習将棋)に励んできたが、2014年に棋士とコンピュータソフトによる団体戦「電王戦」でソフト「YSS」に勝利して以降、AI研究に完全にシフトした。

 対人での研究を一切行わなくなったことは将棋界内でも話題になったが、結果として2018年に5度目のタイトル挑戦で初タイトルの棋聖を獲得。さらに王位と連続奪取。19年には史上4人目の竜王・名人となるなど、活躍の場を広げてきた。さらなる飛躍を目指すために再びの「変化」を求めることになる。

 豊島竜王「もともとやっぱり人と指すのはすごく好きなので、ソフトで研究するよりも人間同士で指す方が楽しいと思ってずっとやってきました。自分の将棋観というか、環境というか、ソフトが年々すごい勢いで進化してきたここ何年かでしたけど、ある程度は落ち着いてきて、序盤の戦術などがある程度、それぞれの棋士が新しいもの対応して理解している状況で、そこからさらに深めていくために、人間同士で指すプロセスを入れてから、もう一度考え直したりすると、また違ったものが見えてくるかな、ということを考えました」

 さらなる成長を目指す背景には、まだタイトル防衛を果たせていないこと、そして藤井2冠の存在があることは間違いない。

 豊島竜王「(藤井2冠は)以前から才能がある方だと思っていて、タイトルは取るのかなとは思っていましたけど、こういうスピードで強くなるのは予想より早い印象があります。なんとか食らいついていって、勝てる可能性がある実力を自分もつけていけたらと思います。年齢が離れていれば、若い方が強くなりやすいところはあります。才能も違うと思いますので、難しいとは思うんですけど、なんとか可能性を見い出していけたらと思います」

 5戦全勝している相手に対して謙虚すぎる言葉にも聞こえるが、それだけ18歳の力を評価し、脅威と捉えているともいえる。

 いずれにしても、AI研究が常識化、先鋭化している現代将棋界において、棋界最高位に在る竜王が対人研究を再開する決断に至ったことは、棋士間にも何らかの影響を与える可能性がある。(北野 新太)

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