【巨人】原辰徳監督「燦然と輝く神様を1つ超えられた」川上哲治監督を抜き球団通算最多1067勝目

球団史上最多となる監督通算1067勝を挙げ、祝福のボードを手にポーズをとる原監督(カメラ・橋口 真)
球団史上最多となる監督通算1067勝を挙げ、祝福のボードを手にポーズをとる原監督(カメラ・橋口 真)

◆JERAセ・リーグ 巨人―ヤクルト(11日・東京ドーム)

 巨人・原監督が金字塔を打ち立てた。同点の8回にまな弟子・坂本の決勝15号ソロでヤクルトに逆転勝ち。川上哲治氏を超えて球団単独トップとなる監督通算1067勝目を挙げた。1066勝目でも3打席連発で勝利に導いた主将が、メモリアル勝利に花を添えた。試合後には巨人軍・長嶋茂雄終身名誉監督、ソフトバンク・王貞治球団会長らからお祝いの言葉が届いた。チームは今季3度目の5連勝(1分け挟む)で、2位・阪神に今季最大の9・5差。優勝マジックは最短で13日に「38」が点灯する。

 偉業達成の瞬間も、原監督は普段と変わらぬ姿だった。ゲームセットの瞬間、静かにコーチ陣と右手でグータッチをしただけ。川上哲治氏を超え、巨人軍で歴代1位となる監督通算1067勝を挙げてもまだ、道の半ばだと示していた。「数字を見ると、先輩として燦然と輝く“神様”川上監督を1つ超えられた。信じられない気持ちでいっぱいです」。デラロサからウィニングボールを受け取るとようやく、満面に笑みを浮かべた。

 直後のセレモニー。ビジョンに映し出されたのは元ヤンキース監督のジョー・トーリ氏、王貞治氏、長嶋茂雄氏からのサプライズ・メッセージ。“最初に目標にした3人”からの祝福に、心をほころばせた。

 自らの節目を飾ったのはやはり、まな弟子の祝砲だった。同点の8回1死、坂本が右翼席へ15号決勝ソロを突き刺した。高卒新人の07年終盤に1軍に抜てきし、9月にプロ初安打。08年から不動のレギュラーとして起用したが、当時は二人三脚で練習に明け暮れていた。「最初は私が手塩にかけながら育て、一緒に泥んこになって練習したり、彼を助けてきた自負があった。しかし、ここ数年は彼に頼って、こっちがお願いするような立場で育ててもらっている」と成長をたたえ、最大級の賛辞を贈った。

 思いをはせたのは、その坂本の若かりし頃。変わらない“芯”の部分を述懐する。

 「勇人は弱音を吐かなかった。寸分も見せなかった。ヘトヘトになって、バットは波打つわ、投げられた豆腐も原形をとどめるような力ないスイングになっていたりして『明日は使うのは難しい。休みも必要だ』と思って翌朝、ロッカーで顔を見ると、よし使おうという気になる選手だった」

 自らを「ジャイアンツしか知らない幸せな野球人」と称する。幼少期から夢を持ち、80年ドラフトで4球団競合の末に、運命の糸で結ばれた巨人に入団。95年限りで現役引退後、野球を勉強し、99年から長嶋監督をコーチとして支え、指導者人生を歩み出した。この3年間が指導者としての礎だ。監督と選手のパイプ役となる「中間管理職」と表し、組織を保つために身を砕いた。その時に痛感したのが「コーチは絶対ではない。監督には限界がない」ということだった。

 だからこそ、監督として自らを厳しく律した。試合中に感じた戦術、感情を手帳に記し、帰宅後に自問自答を重ねる日々。「限界がないがゆえ、確率の良さ、戦術の正しさ、用兵もそう、全てを知識として入れなきゃいけない。自分が決めるわけだから」。小さな積み重ねが、巨人軍最多勝監督という大輪の花を咲かせた。

 ただ、それももう通過点だ。原監督はきっぱり言った。「感慨にひたる余裕はまったくない。川上監督の記録を少し超えさせていただいたことは心の中の宝物にして、この会見を最後に、また明日から普段と同じ精神状態で戦いを挑んでいきたい」。高らかに帽子を掲げ、愛するファンに向けて振った。(西村 茂展)

映像提供:GIANTS LIVE STREAM
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