今後の音楽業界は人間とAIの対決!?

 音楽ヒットチャートで知られる「Billboard JAPAN」を展開する阪神コンテンツリンクが、NTTデータ、NTTデータ経営研究所との3社の共同研究によって、脳科学とAI(人工知能)によって音楽トレンドを可視化、ヒットソングの予測に成功したという。レコード会社などに向けて、9月からアーティスト発掘・育成など音楽業界の支援のためのサービスのトライアル提供を開始した。

 3社が今月3日に発表したのは、16年12月から今年5月までの2185曲、またビルボードのチャート8指標などを分析し、ヒットソングの特徴と未来を予測するというもの。世界でも異例の試みだ。

 実際にビルボードの今年上半期チャートを対象に、AIによる脳情報・歌詞特徴・コード進行特徴によって再構築した「楽曲特徴」のランキングは興味深い。実際のチャートで1位だったOfficial髭男dism「Pretender」は3位、2位の同「I LOVE…」は20位圏外。逆に実際のチャートで20位圏外だったwacciの「別の人の彼女になったよ」が最も支持された「楽曲特徴」となった。同曲は1か月後のトレンド指標の予測でも1位にランクインしている。

 今後、分析や予測はヒット率を高めるためにアーティストのリリース曲の選定サポートやCMタイアップなどでの活用が期待される。脳科学とAIによって音楽トレンドが生み出されていくのだろうか。

 1990年代のCDバブルから現在のデジタル全盛の時代へと移り変わる平成音楽は、ミリオンヒットが乱発した。最大の要因は平成4年(92年)の通信カラオケの登場と言える。その“申し子”が小室哲哉氏だった。以前に音楽評論家で尚美学園大学副学長の富澤一誠氏に話を聞いた際には「小室哲哉はカラオケで歌われるためには、どういう曲が好まれるのか、“出口から入り口”の発想。カラオケで歌って上手に聞こえるのは中低音ではなく高音。結局、その発想がCDのメガヒット時代を築く大きな一因となった」と分析した。

 その小室氏は、プロデュース作品の総売り上げは約1億7000万枚超を誇る。不倫報道に端を発して18年1月に芸能界引退を表明しながら、さりげなく復帰していることはいかがなものかとは思うが…。これまでヒットは人が作ってきた。今後、音楽業界の人間とAIの“対決”も見ものだ。(記者コラム)

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