今秋ドラフト候補の俊足外野手、独協大・並木秀尊が10日にプロ志望届を提出へ

10日にプロ志望届を提出する独協大・並木
10日にプロ志望届を提出する独協大・並木

 今秋ドラフト候補の独協大・並木秀尊(4年=市川口)が10日にプロ志望届を提出する。9日、埼玉・越谷市の独協大天野貞祐記念球場で行われた大正大(東都2部)とのオープン戦後、「プロ1本でいきます。迷いはありません」と明かした。

 並木が一躍注目を集めたのは、昨年11月30日から3日間、愛媛・松山市で行われた侍ジャパン大学代表候補選考合宿の時だった。50メートルのタイムトライアルで5秒32を記録。中学時代、サニブラウンに勝ったという中大・五十幡亮汰を上回るトップの数字を出したのだ。紅白戦でも早大・早川隆久、慶大・木沢尚文といった今秋ドラフトで上位指名が予想される好投手から安打を放つなど走攻守でアピール。「高いレベルでやったことがなかったので楽しかった」と振り返る。

 3年の春、秋とベストナインに選ばれ、リーグ戦通算38試合で22盗塁を記録しているとはいえ、首都大学2部とあって目立つことはなかった。その無名選手がいかにして代表候補に選ばれたのか。きっかけは数分の動画だった。昨秋、連盟から候補選手の推薦を依頼するメールが届くと、独協大・亀田晃広監督(46)は「並木ならいける」と上田樹マネジャー(4年=学法石川)に声をかけ、動画の作成に着手した。二塁正面のゴロを内野安打にしたプレーなど足をアピールしたものを中心に編集。この動画が選考委員の心を動かした。東北福祉大、日本通運で内野手として活躍してきた亀田監督は「プロに入った選手を何人も見てきましたが、並木もそのレベルにあると思いました」とプロ入りをプッシュする。

 小学校2年の時、地元のスポーツ少年団で野球を始め、埼玉・草加市の川柳中では1番・捕手で市大会準優勝が最高。強豪校からの誘いもなく、母・貴子さんの高校時代の恩師が野球部長を務めていた市川口へ進んだ。同校OBでNTT東日本を都市対抗4強に導いた経歴を持つ当時の長井秀夫監督(61)は「バネがよく足は速かった」と捕手からセンターにコンバート。2年でレギュラーをつかんだが、3年夏は3回戦敗退。指定校推薦で自宅から通える独協大へ進んだ。

 「本人は気づいていなかった」(亀田監督)という能力の高さは、大学入学後に少しずつ伸びていく。筋力トレーニングの成果で高校3年時で168センチ、65キロと細かった体は170センチ、72キロに。「バットも振れるようになりましたし、走っていても足の裏で土をつかめる感じになりました」と成長ぶりを実感。2年春からレギュラーに定着した。

 3月に予定されていた大学代表候補合宿にも選ばれていたが、新型コロナウイルス感染拡大で合宿は中止。4月から部活動もできなくなり、検温、消毒など感染防止を万全にした上で8月18日にようやく再開。9日の大正大戦は3月24日以来約半年ぶりの対外試合だった。8球団12人のスカウトが見つめる中、1番・センターで先発。初回、四球で出塁すると次打者の初球で二盗を成功。第2打席ではスライダーをうまく拾って左前へ運び、第3打席は中前安打を放って二盗を決めた。4打席で2安打2盗塁。「足はアピールできたのではないかと思います」とうなずいた。この日が半年ぶりの視察だったという巨人・内田強スカウトは「春先に比べるとスイングもコンパクトになってきた。盗塁も二塁までのタイムが3秒17。足が速いのが一番の魅力です」と評価した。

 志望届を10日に出すことにしたのは「大安だからいいのでは」という貴子さんのアドバイスがあったから。高校、大学と無名だった選手が一躍ドラフト候補になり「最初は信じられない感じでしたけれど、注目されてからが勝負。気を引き締めていかないといけない」。五十幡より速いということは、サニブラウンよりも速いということか。独協大初のプロ野球選手へ。無名のスピードスターが一躍、ドラフト戦線に躍り出る。

 ◇並木 秀尊(なみき・ひでたか)1999年3月23日、埼玉・草加市生まれ。草加市立八幡小2年で野球を始め、川柳中では市準優勝が最高。市川口では捕手から中堅手に転向し、3年夏は3回戦で敗退した。独協大では2年春からレギュラー。50メートル走のタイムは「しっかり計ったことがないのでわかりません」。高校の体育祭ではアップシューズで11秒4を出し、同校体育祭の記録を作った。資格は日商簿記3級。170センチ、72キロ。右投右打。家族は父、母、姉、妹。

野球

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請