◆都市対抗野球大会近畿地区2次予選 ▽第1代表2回戦 パナソニック1―0三菱重工神戸・高砂(9日・わかさスタジアム京都)
来秋のドラフト候補、三菱重工神戸・高砂の森翔平投手(22)が先発し、自己最速タイの149キロを連発するなど、7回までは2安打無失点で堂々の投球を見せた。しかし、8回1死でパナソニック・三上恭平捕手(29)に「カットボールの指の掛かりが緩く、バッターのスイングに入ってしまった」という失投を左翼スタンドに運ばれた。8回1失点で、4安打1四球8奪三振だったが、「負けたら一緒なんで」と左腕は悔しさをにじませた。
昨秋、関大4年時に神宮大会2回戦(金沢学院大)で先発全員から13三振を奪い、大会47年ぶりの勝利に貢献した森。社会人入りした今年は、チームの初戦となる2回戦を山口敏弘監督(58)に「勢いのいいボールが投げられて、度胸がある」と信頼され、先発を任された。「緊張していたけど、一人ひとり切ったろうと思っていた」という左腕。7回には4番から始まる好打順を三者連続三振に打ち取った。「最後(6番打者)は3球ストレートです。クリーンアップだったので丁寧かつ大胆に行きました」と持ち味の直球のキレに自信をのぞかせた。
社会人1年目の左腕を7球団9人のスカウトが視察。巨人の岸スカウトは「力の伝え方が上手。変化球も精度が高く、即戦力になる」と高く評価した。しかし、ルーキーは「今はプロを意識せず、チームの戦力になることが一番の目標」と言い切った。