石川佳純の覚悟…無観客でも隔離でも「行動しないと始まらない」インタビュー

1月の全日本卓球選手権でプレーした石川
1月の全日本卓球選手権でプレーした石川

 卓球女子世界ランク9位で東京五輪代表の石川佳純(27)=全農=が、8日までにオンラインでスポーツ報知のインタビューに応じた。Tリーグの「オールスタードリームマッチ」が14日に開催。日本代表選抜として約半年ぶりの実戦に臨み、コロナ禍で3月中旬から中断していた国際大会も11月からの再開が発表された。1年延期された来夏の東京五輪に向けた再スタートを前に、心境を語った。(取材・構成=林 直史)

 コロナ禍で大会の中止が相次いでいた卓球界が動き出す。国際連盟は11月に国際大会を約8か月ぶりに再開すると4日に発表。石川は感染防止対策など、選手が安心してプレーできる環境が整うことを期待し、出場への意欲を示した。

 「何か行動しないと始まらない。安心できる環境であれば、私は出たいです。少しずつ試合が開催されるというニュースを聞いてすごくうれしく思いますし、またいいプレーができるように、さらに気合を入れて準備したいなと思います」

 11月は男女W杯とITTFファイナルが中国で開催。現状で参加選手は1か月以上の滞在が求められ、帰国時の2週間の隔離期間も考慮が必要だ。難しい判断を迫られるが、いずれも世界ランキングの格付けが高い大会。受け入れ態勢が不透明な中で前向きな姿勢を示したのは、五輪上位シードを争う覚悟の表れでもある。

 「もちろん不安もありますけど、ドリームマッチでも検温(記録の提出)だったり無観客だったり、今までとは違う。いきなり今までのような形は無理だと思うんです。でも自分自身も試合に出たいし、そうやって新しい形を受け入れつつもいろんなことをやっていって、東京五輪につながればいいなと思っています」

  • 1月の全日本卓球選手権でプレーした石川

    1月の全日本卓球選手権でプレーした石川

 国内でもトップ選手が出場する試合が、14日のドリームマッチから再開する。石川にとって3月上旬以来の実戦。出場を決めた際に「日本の卓球界もこのイベントを起点に一歩ずつ、また前に進んでいく象徴的な出来事になると思っています」と談話を発表したように、未来への願いも込めた一戦だ。

 「なかなか試合が始められない状況が続いていて、その中でこうやって出場することで、これからどんどん試合をやろうという流れになってくれたらうれしいし、期待しています。微力ですけど力になりたいし、自分自身もプレーをすごく楽しみにしていました」

 試合は無観客(リモートマッチ)で開催。経験豊富な石川でも初めての経験だが、テレビやネット中継を通じ、試合を心待ちにしていたファンを思い浮かべ、コートに立つつもりだ。

 「不思議な感じもしますが、これからそういう機会は増えていくと思う。試合がなくなってからはずっと練習を積んできて、すごく充実した日々が過ごせていました。無観客ですけど卓球ファンの前でプレーするのは久しぶり。選手としてはレベルアップした姿を見てほしいし、たくさんの方が大変な日々を過ごされていると思います。その中で少しでも元気を届けられたらいいなと思っています」

 今後は国内外での試合再開の流れをきっかけに、東京五輪への歩みも加速していくことが予想される。

 「五輪があることを前提に、すごく高いモチベーションで準備できている。東京五輪で最高のプレーがしたいし、来年コートに立った時に1年の延期が良かったと思えるように、今ある一日一日を大切にして頑張っていきたいと思います」

 ◆延期にも前向き タフになった

 ◆取材後記 対面ではなくオンラインでの取材だったが、久々に聞く声の明るさが印象的だった。石川は五輪代表選考レースを戦った昨年、最終戦の直前に平野美宇を逆転し、シングルスの残る2枠目を勝ち取った。卓球を嫌いになりかけたほど過酷な1年の経験を経て、「前よりもタフになった。五輪が延期になるとは夢にも思わなかったけど、それも前向きにとらえることができた」と語る。

 昨年は単複で年間122試合に出場したが、今年は36試合。半年間も遠ざかるのは初めてだが「試合がない分、2週間はこの練習をやろうとか、技術的な目標を作ってじっくり取り組める。今までと違った種類の楽しさがある」。卓球の楽しさを再確認した石川が、再び躍動する姿が楽しみだ。(卓球担当・林 直史)

1月の全日本卓球選手権でプレーした石川
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