【巨人】3ボールから…重信慎之介が痛恨併殺 猛追及ばず連勝5で止まった マジック点灯は最短で8日

スポーツ報知
7回1死一、三塁、代打・重信は投ゴロ併殺打に倒れた

◆JERAセ・リーグ 阪神5―4巨人(4日・甲子園)

 巨人の連勝が5でストップし、戸郷の連勝も4で止まった。阪神・西勇に抑えられていた打線は7回、丸の適時二塁打などで反撃。2点を返し、なおも1死一、三塁と攻めたが代打・重信が3ボールから投ゴロ併殺打に倒れた。8回にも2点を奪い抑えのスアレスを引っ張り出したが、あと1点及ばず。先発・戸郷は、大山、サンズに被弾するなど6回途中5失点で3敗目。最短でのマジック点灯は8日となった。

 開きかけた奇跡への扉は一瞬にして閉ざされた。7回1死一、三塁。重信の打球がワンバウンドで投手のグラブに収まると、遊―一と転送され、最悪の併殺が完成した。試合後、それを問われた原監督は表情を変えない。「(重信に)任せたという中で。まぁ、本人も打つ気マンマンで行ったけれども、というところでしょうな」。子を諭す親のような優しい口調だった。

 紙一重ではあったが、焦る必要はなかったとも言える。5点を追う7回、先頭・亀井が相手失策で出塁し、岡本、丸の連打でまず1点。さらに代打・大城も右前適時打を放って2点を返した。それまで絶妙だった阪神・西勇の制球がジワジワと狂い出す。重信の打席。3ボールとなった。ネクストではウィーラーも準備を整えていた。ベンチは「『待て』は出していない」と原監督。元木ヘッドコーチも「いい当たりで本塁打打てる力もある。思い切って行け、のサイン」と同調した。

 重信も意気に感じたことだろう。4球目に積極的にバットを出したが、外角低めの難しいシュートを捉えきれず、投ゴロとなった。相手守備はゲッツーシフト。重信の快足なら転がせば1点を返し、一塁セーフの可能性はあったが、投手正面では万事休す。結果的に1点差の敗戦となって、より際立つシーンとなった。

 13連戦の4戦目とあって、チームはコンディション作りにも細心の注意を払った。この日に大阪入りした“移動ゲーム”の上に、屋外球場の暑さも考慮して、屋外フリー打撃やシートノックは行わないなど、試合前練習の量を調節した。元木ヘッドは「今日は(フリー打撃を)なしにしよう、自分たちで調整しようと」と説明。昨季からナイター翌日のデーゲームなど、慌ただしい状況下では同様にフリー打撃をやめる“メジャー流”を導入したが、今季初の試み。試合終盤になって追い上げる力が残っていたのは、偶然ではない。

 連勝は5で止まり、2位・阪神とも6・5差、マジック点灯は最短で8日となった。だが、0―5からあと一歩まで追い上げた底力を見せての敗戦は、決して勢いを失うものではない。だからこそ必要なのは、この日の黒星をいい形で先につなげること。原監督は言った。「重信本人がどう思うか。こっちは『待て』は出していないから。重信に任せた。結果的にああいう形になった」。自問自答した答えを、次の場面で発揮してほしい。(西村 茂展)

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