【五輪の友】極限まで夢に終わりはない…東京五輪後に医師への道にすすむ陸上・金井大旺

金井大旺
金井大旺

 新型コロナ禍の中でも、絶好のシーズンスタートを切った選手もいる。陸上男子110メートル障害の金井大旺(たいおう、24)=ミズノ=は、今季初戦の法大記録会(8月2日)で日本歴代2位の13秒34(追い風0・3メートル)をマーク。「技術的な部分も練習段階で改善できていて、自分としてはいい内容」。ナイトゲームズ・イン福井(8月29日)では、自己ベストを0秒07短縮。高山峻野(25)=ゼンリン=の日本記録(13秒25)にも0秒02差まで肉薄した。

 成果は、課題と向き合う強さあってこそ。「踏み切りが(ハードルに)近くなってしまって、ブレーキ動作が入っていた。着地した後の上下動もなくし、(ハードル間の)スムーズな走りにつなげた」。来季突破が求められる21年東京五輪参加標準(13秒32)を出せる力も証明した。「自分自身との勝負だと思っている。直した部分をしっかりやりたい」と、表情を引き締める。

 まだ24歳ながら、東京五輪は集大成。実家の歯科医院を継ぐため、競技に区切りをつけて進学し、医師免許取得の道へ進むつもりでいる。7人制ラグビー男子の福岡堅樹(27)=パナソニック=は、医師への道を優先し、1年延期の東京五輪を諦める選択を下した。金井は「同じ境遇の人がいたことは親近感が湧いた。こういう選択もあるな」と思いを寄せつつ、「僕は五輪に出たことがなくて、出たいという気持ちが強かったので、続けるという選択をした」と明かした。

 スプリント力と技術力を、高いレベルで両立することが求められる男子110メートル障害。「走力よりも、技術要素がかなり強い種目だと思う。年を重ねるごとにいろいろな技術も分かってくる。完成形に近づいたと思ったら、またやらないといけない課題がどんどん見つかってくる。本当に、終わりがないんじゃないかと思ってしまう」。競技に対して底知れない魅力も感じつつ、医師の夢実現のために線を引く決断をした金井。「区切りをつけたからこそ、極限までやれているのは自分でも感じる」。人一倍強い思いが、夢舞台への原動力だ。(陸上担当・細野 友司)

 ◆細野 友司(ほその・ゆうじ)1988年10月25日、千葉・八千代市生まれ。31歳。早大を経て2011年入社。サッカー担当を経て、15年から五輪競技担当。16年リオ五輪、18年平昌冬季五輪を現地取材。夏季競技は陸上、バドミントン、重量挙げなどで、冬季競技はジャンプを始めとしたノルディックスキーを担当。

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