羽生結弦の広い視野と優しさ「感染拡大のきっかけになってはいけない」今季グランプリシリーズを欠場

GPシリーズの欠場を発表した羽生
GPシリーズの欠場を発表した羽生
フィギュアスケート今季の主な日程
フィギュアスケート今季の主な日程

 日本スケート連盟は28日、フィギュアスケート男子で五輪連覇の羽生結弦(25)=ANA=が、2022年北京五輪プレシーズンとなる今季のグランプリ(GP)シリーズを欠場すると発表した。ぜんそくの持病がある羽生は、新型コロナウイルスの感染リスクを考慮。拠点のカナダ―日本の移動に伴う自己隔離や、周囲への配慮も理由に挙げた。GPシリーズは昨季まで10シーズン連続で参戦し、13年から4連覇したファイナルを含む通算12勝を挙げている。

 新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、羽生が決断を下した。今季のGPシリーズを欠場することを発表した。ぜんそくの持病を抱える羽生は細心の注意を払い日々過ごしている。GPシリーズが始まる2か月後を想像した時に、感染リスクの不安を拭いきることはできなかった。

 「呼吸器系基礎疾患を有する者が罹患(りかん)した場合、重症化しやすいとの情報もあるので、可能な限り慎重に行動したいと考えています」と説明。「気管支喘息(ぜんそく)に関係なく、一部の選手が新型コロナウイルスに罹患した後、後遺症によって選手活動が困難になってしまっている点からも、慎重に行動を検討する必要性があると思っております」と続けた。

 カナダに拠点を置く羽生は現在、日本に滞在している。GP全6戦の出場者は地元選手や開催国に拠点を置く選手などに制限し、1選手1大会になる予定だ。羽生は自国のNHK杯か、スケートカナダに出場の可能性があった。しかし渡航制限を考えるとブライアン・オーサー・コーチが来日することは困難で、羽生がカナダに向かえば2週間の自己隔離が必要となる。「その期間、練習など一切のスケートの活動ができないため、選手にとって万全の状態で試合に臨むことができません」と吐露した。

 どんな状況下でも周囲への配慮は忘れない。「私が動くことによって、多くの人が移動し集まる可能性があり、その結果として感染リスクが高まる可能性もあります」「私が自粛し、感染拡大の予防に努めるとなれば、感染拡大防止の活動の一つになりえる」。3つ目の理由は、広い視野と優しさに満ちていた。何より優先されるべきものは健康。金メダリストになった14年ソチ五輪以降も休まずに走り続けてきた。少しの間、競技会から離れはするが、次戦の氷上を思い浮かべて未来へ向かう。(高木 恵)

 ◆羽生のコロナ禍の動き

 ▼3月12日・世界選手権中止 「来シーズンに向け、今の限界の先へと行けるよう、練習していきます」と現役続行を表明。

 ▼4月17日・JOC公式ツイッターで1分32秒の動画でメッセージ 「3・11のときの夜空のように、真っ暗だからこそ、見える光があると信じています」

 ▼5月6日・日本スケート連盟の公式ツイッターで、歴代プログラム17曲の冒頭をつなげたメドレーを披露 「2011年3月11日から今までの、僕とプログラムたちの道のりです」

 ▼7月11日・ISUスケーティング・アワードで初代最優秀選手賞(MVS)を受賞 「自分の理想のスケートを追い求めて頑張っていきます」

 ▼8月23日・24時間テレビにリモート収録で出演 「自分の論文を完成させられたことが一番(状況が)動いたこと」

 ◆感染拡大収まらなければ全戦欠場も

 羽生の今季初戦として可能性があるのは、GPシリーズ後の12月に行われる全日本選手権(24~27日、長野)になる。例年、同大会は世界選手権や四大陸選手権の代表選考会を兼ねている。今季の世界選手権は来年3月にスウェーデン・ストックホルムで開催予定で、北京五輪の枠取りがかっている。

 連覇がかかる四大陸選手権は同2月にオーストラリア・シドニーで行われる予定。シーズン後半のスケジュールとして全日本選手権→四大陸選手権→世界選手権が考えられるが、今後も新型コロナウイルス感染拡大が収まらない場合は、今季全試合欠場という選択肢も浮上する。

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