【メディカルNOW】安倍晋三首相の持病、最近になって悪化か?

安倍晋三首相(ロイター)
安倍晋三首相(ロイター)

 先週、安倍晋三首相が慶応大学病院に「追加の検査」で7時間半滞在したことから、健康不安説がささやかれている。首相が潰瘍性大腸炎を持病に抱えているのは周知の事実。07年に1年余りで政権を投げ出したのも、この病気が原因とされる。

 潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜が炎症を起こして、下痢・腹痛・下血といった症状に襲われる原因不明の病気だ。難病に指定され、全国で約17万人が登録されている。

 内科的治療は、持続する炎症を抑える薬剤(アサコールなど)、強力に炎症を抑える副腎皮質ステロイド剤、免疫抑制剤、異常に活性化した白血球を除去する療法などがある。

 最近は「便移植」もある。腸内細菌叢(そう=フローラ)の乱れが潰瘍性大腸炎を悪化させていると考え、健康な人の便を患者の腸に移植するもので、慶応大学病院などで行われている。こうした内科的治療で改善しない場合は、大腸を全摘する外科的治療を行う。

 安倍首相は12年に再就任したが、持病の潰瘍性大腸炎について、新薬「アサコール」とステロイド剤がよく効いて寛解(症状が消失)していることを自ら明らかにした。しかし、この病気は寛解期と発症期を繰り返しながら徐々に悪化することが多い。また、潰瘍性大腸炎を長年患っている人は大腸がんのリスクが高いことも知られている。

 07年9月に開かれた国会で、安倍首相は「職責を全うする」と所信表明演説を行った2日後、潰瘍性大腸炎が悪化したことから退陣を表明した経緯がある。コロナ禍で感染拡大防止策と経済対策が急がれている現在、13年前の二の舞にならないことを願っている。(医療ジャーナリスト・田中 皓)

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