桐生祥秀、五輪イメトレ成功10秒14V…新国立初の陸上大会、無観客でも「想像したら楽しくなる」

優勝した桐生(右)は2位で悔しがるケンブリッジの横でテレビカメラに向かって手を叩いて見せる
優勝した桐生(右)は2位で悔しがるケンブリッジの横でテレビカメラに向かって手を叩いて見せる
男子100メートル決勝で力走する桐生(中央)ら選手たち。新しくなった国立競技場で初めて陸上大会が開催された(カメラ・竜田 卓)
男子100メートル決勝で力走する桐生(中央)ら選手たち。新しくなった国立競技場で初めて陸上大会が開催された(カメラ・竜田 卓)

◆陸上 ▽セイコー・ゴールデングランプリ(23日、東京・国立競技場)

 東京五輪会場・国立競技場での初の陸上大会として行われ、男子100メートルで前日本記録保持者の桐生祥秀(24)=日本生命=が10秒14(向かい風0・2メートル)で優勝した。予選は10秒09(追い風0・7メートル)で3組1着となり、予選&決勝ともに同走のケンブリッジ飛鳥(27)=ナイキ=に0秒02差で競り勝つ好走。来夏の五輪本大会へ弾みをつけた。

 無観客の静寂の中を、桐生の走りが鋭く伸びた。序盤でリードを奪い、ケンブリッジの猛追を0秒02、距離にして約20センチ差でかわした。「予選、決勝ともに中盤(の走り)が良かった」。今季課題として取り組む、中盤でのトップスピードにも手応えを感じられた。リオ五輪400メートルリレー銀メンバーのケンブリッジも「桐生は強かった」と認めた。

 五輪会場の国立で行われる初の陸上大会。「新国立で思い出に残るような走りをしたい」と思いを込めた。コロナ対策で無観客開催。例年なら、セイコーGGPは17年ロンドン世陸王者のJ・ガトリン(米国)ら海外の強豪も常連だが、今大会は日本勢だけで争った。国際試合の雰囲気は、英語の場内放送ぐらい。それでも「(有観客なら)レーン(の選手)紹介でも地響きがするようになると思う。人が満杯に入って、というのを想像したら楽しくなる」と五輪本番も見据え、声は弾んだ。

 五輪の“イメージトレーニング”をする中で力を出せたのも収穫だ。16年日本選手権はケンブリッジに敗れ、同年のリオ五輪も100メートル予選敗退。大舞台で緊張から力んだり、上半身が反る悪癖が出ることもあった。昨秋のドーハ世陸準決勝が転機。10秒16で敗退したが「わくわくしてスタートラインに立てた。緊張より、1位を取ってやろう」と気持ちを切り替えて臨み、中盤で首位争いを演じる成功体験を得た。五輪を意識する今大会も、その時と変わらず悪癖も出ずに勝負強さを発揮。「勝ち切れたことが思い出」と桐生。思い出以上に、価値ある1勝になったはずだ。

 次戦は、17年9月に日本勢初の9秒台を出した会場で行われるアスリートナイトゲームズ・イン福井(29日)。好調を持続し、自身2度目9秒台も視野に入る。「今季はもっと(タイムの)アベレージを上げたいし、(五輪は)地元東京であるので、自分の力を発揮したい」。充実感と手応えの中で、桐生はさらに伸びる。(細野 友司)

優勝した桐生(右)は2位で悔しがるケンブリッジの横でテレビカメラに向かって手を叩いて見せる
男子100メートル決勝で力走する桐生(中央)ら選手たち。新しくなった国立競技場で初めて陸上大会が開催された(カメラ・竜田 卓)
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