東京パラリンピック開幕まで1年、注目される有力選手とコロナ禍での現状

パワーリフティングで東京パラリンピックを目指す山本恵理(日本財団パラリンピックサポートセンター提供)
パワーリフティングで東京パラリンピックを目指す山本恵理(日本財団パラリンピックサポートセンター提供)

 2021年東京パラリンピック開幕まで、24日であと1年となった。本紙が注目する他の有力選手、コロナ禍での現状も紹介する。

 パラリンピックを裏方で支える立場から一転、選手として東京大会を目指しているのが、パワーリフティングの山本恵理(37)だ。

 08年北京、12年ロンドン、16年リオの各大会はメンタルトレーナーや通訳として、日本選手団をサポートした。東京大会に関わるため、15年に周知、啓発を行う日本財団パラリンピックサポートセンター職員に。転機は16年5月に訪れた。東京都主催のパラ体験プログラムでパワーリフティングに挑むと、いきなり40キロをクリアして関係者を驚かせた。

 「パワーリフティングをやる人生とやらない人生。どっちが面白いだろう」と考えた末、バーベルを手にすることを決めた。半年後の日本選手権55キロ級では50キロの日本新をマークするなど急激に力をつけた。昨年の世界選手権男子107キロ級代表・中辻克仁の最終試技を見た時に、その“美しさ”に涙がこぼれたという。「試技の3秒に全身全霊をいかに自分が込められるかと、見ている人を引きつけられるか。強さだけではなくて、美しさとそこに対する意志をいかに込められるか」と、この競技の魅力を熱く語った。

 山本は、先天性の二分(にぶん)脊椎症で足が不自由。9歳から始めた水泳で日本選手権出場を果たすなどしたが、高校2年時のけがで競技生活を断念した。一度は諦めた道を再び、一歩一歩進んでいる。昨年9月のW杯東京大会で63キロの日本新を樹立。パラリンピックへは参加標準記録65キロを突破し、世界ランク8位以内が出場条件だ。

 本番が1年延期になった時は競技のことよりも、まず仕事の方が頭に浮かんだ。「あと1年、どうやったらパラの魅力を広めていけるか、これまでと違った方法を考えなければと思いました。選手としては必ず東京に出て、パリ(24年)でメダルに近づき、ロサンゼルス(28年)で必ずメダルを取りにいく」。世界へ挑戦する目標は揺るがない。(久浦 真一)

 ◆山本 恵理(やまもと・えり)1983年5月17日、神戸市生まれ。37歳。同志社大―大体大大学院。メンタルトレーナーとして、北京パラリンピックで日本代表に帯同した際に英語が話せず、サポートができなかったことから、カナダの大学院に留学。女子アイスホッケー代表としてもプレー。32歳で帰国し、現職。趣味はケーキ作り。

 ◆パラ・パワーリフティング 下肢障害の選手によるベンチプレス。障害レベルのクラス分けはなく、体重別の男女各10階級。ベンチに横たわり、脚を伸ばした位置で競技を行う。ラックからバーベルを外した状態で静止、審判の合図とともに胸まで下ろし、再びバーベルを上げる。試技3回で順位を競う。

パワーリフティングで東京パラリンピックを目指す山本恵理(日本財団パラリンピックサポートセンター提供)
池透暢
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