バブル期に流行した「ドライブインシアター」をご存じだろうか。車に乗ったまま、駐車場の巨大スクリーンで映画を見るという懐かしのスタイルがウィズコロナ時代の今、形を変えて再び注目されている。
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従来のドライブインシアターの形を保ちながらも新しさをプラスしたイベントもある。2017年から野外映画イベントを企画してきた綱島大輔さん(39)は、今月29日にドライブイン形式による映画と花火のコラボイベントを千葉県長柄町で行う予定だ。
16年に製作され、米ゴールデン・グローブ賞で史上最多7部門を制した米ミュージカル映画「ラ・ラ・ランド」を上映。その余韻の残る中で、サウンドトラックをバックに花火を打ち上げる。今回の企画はチケットが全部売れても、協賛がなければ赤字。現状、協賛は集まっているが、目標額には達していない。資金の一部は持ち出しになりそうだ。
それでも、花火大会が中止になり危機に瀕(ひん)していた花火業者とリスクを分け合う覚悟を決めた。「2020年大変だったけどいい思い出だったよねって言えればいいなって。やってる側はヒーヒーですけどね」と笑いながら話した綱島さん。花火と映画で少しでも日本が“上を向く”ことを祈った。