eスポの未来をひらけ!初の無観客オンライン開催の「RAGE ASIA 2020」 運営側の思い

無観客のオンライン大会となるが、盛り上がりは過去大会に負けない「RAGE ASIA 2020」(写真は2019年開催時)
無観客のオンライン大会となるが、盛り上がりは過去大会に負けない「RAGE ASIA 2020」(写真は2019年開催時)
CyberZのeスポーツ事業管轄取締役・大友真吾氏
CyberZのeスポーツ事業管轄取締役・大友真吾氏

 日本最大規模のeスポーツイベント「RAGE」のアジア大会「RAGE ASIA 2020」が29、30の2日間、無観客のオンラインで開催される。国内で開催される国際大会としては初の試み。「OPENREC.tv」や「YouTube」で無料配信される。新型コロナウイルス感染拡大の巣ごもり需要で一躍、注目を集めるeスポーツ。大会を運営するCyberZのeスポーツ事業管轄取締役・大友真吾氏がオンラインでインタビューに応じ、開催への思いやeスポーツの課題や未来像などを語った。(増田 寛)

 コロナ禍で多くのエンタメイベントが中止になる中、ついにeスポーツの国際大会「RAGE ASIA 2020」が日本で開催される。日本最大級のeスポイベントが、オンラインかつ無観客で国際大会を開くのは初めての試み。大会開催の新しい形式の試金石ともいえる一世一代の挑戦に、大友氏は「どうしてもこの大会は開催したかった」と力を込める。

 「去年の時点で、五輪と並行してeスポーツの国際大会を行うことは決まっていた。それが新型コロナの影響で、大規模な客入れを行う大会はできなくなった。何とか粘って無観客での開催にこぎ着けられました」

 会場での開催だと、どうしても足を運べない選手やファンもいるが、オンラインでは場所の制限がなく、参加条件の地理的なハードルがなくなる。今年4月に行われたオンライン予選会には、過去最大の1万人以上の選手が参加した。

 「もともとプロリーグも運営していて無観客で配信しているので、ノウハウはあった。各地からいろんな選手が出てきて、大会の厚みが増しました」

 選手は自宅で、運営側が用意した機材をもとに大会に参加する。選手自身が会場にいないため、不正がなされる可能性も拭いきれない。大会をフェアに行うため、大友氏は「対人で運営することができないので、そこは細心の注意を払っている」と話す。

 オンライン予選を勝ち抜いてきた選手は人数が絞れるタイミングで、写真付きの自己証明書を提出し、スマホで顔を照合する。大会当日もゲーム会社と連動して目を光らせるが、大友氏が強調するのは観客の目。「最も厳しい目は観客でしょう。正常ならあり得ない、不正が疑われる動きには、観客がまずいち早く反応するので、コメントにも注意を払ってます」

 観客を集めて実際にプレーするオフライン大会か、無観客のオンライン開催か。今後、eスポーツの大会はどちらに向かっていくのか。

 「観客を入れて行う大会には代えがたい盛り上がり、熱気、声援がある。ライブの良さには、オンラインではかなわないところがあります。でも、オンラインにはどこに住んでいても参加できる。今後はハイブリッドにして、新しいeスポーツの在り方を目指していきたい」

 目指すのは日本でeスポーツをメジャーなエンターテインメントとして根付かせること。大友氏は「海外ではeスポーツ大会の放映権が50億円になるまでに成長している。やっぱり、さいたまスーパーアリーナを3日間埋めるくらいの大会にしたい。そして、大会の配信を見てくれる観客の同時視聴者数は100万人にしたい」と夢を語った。

 ◆RAGE(レイジ)2015年末に「RAGE Vol.1」として初開催されたeスポーツ大会。単一種目の大会ではなく、シャドバをはじめとしたスマートフォン中心のモバイルゲームを採用。17年、1シーズンの総来場者数が3・5万人を突破し、18年の参加人数8000人は日本最大を記録した。

 ◆日本初バーチャル空間「V―RAGE」

  • 3月の「V―RAGE」からパワーアップ。会場にいるかのような演出に注目

    3月の「V―RAGE」からパワーアップ。会場にいるかのような演出に注目

 今大会の注目は、見る側の演出にもある。無観客で国際大会を盛り上げるため、大友氏は秘密兵器を用意している。VR(仮想現実)技術を活用し、eスポーツ観戦やイベント体験ができる日本初のバーチャル空間「V―RAGE(ブイレイジ)」だ。大友氏は「日本を代表するブランドとして、日本のeスポーツも海外の大会に負けないため、演出の派手さにもこだわりました」と胸を張る。

 「V―」は、eスポーツ大会の観戦をコンセプトとしたeスポーツ専用VR施設。観客は無料でスマホやPCから大会へアクセスし、eスポーツ観戦やイベント参加が可能になる。今年3月、初のバーチャル空間内で国内大会「RAGE」を試験的に開催。1万人のアクセスを記録した。

 今大会では、外観や演出をアップデート。CGの演出はもちろん、物販では実際に仮想空間内の物と同じデザインのTシャツを購入が可能となっている。ボイスチャット機能を使って、他の観客と通話ながら一緒に観戦でき、バーチャル上でのリアルな会話を楽しむことが可能だ。

 日本のeスポーツの課題について、大友氏は「コロナ禍のステイホームで、eスポーツに触れる機会が増えたとはいえ、ゲームの観戦文化がまだまだ根付ききっていない」と説明。「今回の大会で、オンラインの新しい体験を提供したい」と意気込んだ。

無観客のオンライン大会となるが、盛り上がりは過去大会に負けない「RAGE ASIA 2020」(写真は2019年開催時)
CyberZのeスポーツ事業管轄取締役・大友真吾氏
3月の「V―RAGE」からパワーアップ。会場にいるかのような演出に注目
すべての写真を見る 3枚

スポーツ

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請