青学大・原晋監督が考える藤井聡太2冠の強さ 定跡を学んだから定跡にとらわれない

夏合宿の休憩時間に将棋を楽しむ青学大・原監督。勝負師として真剣な表情に
夏合宿の休憩時間に将棋を楽しむ青学大・原監督。勝負師として真剣な表情に

 今季の学生駅伝で2冠を狙う青学大の原晋監督(53)が20日、藤井聡太棋聖(18)が王位も奪取し、史上最年少で2冠を獲得したことを祝福し、スポーツ報知にメッセージを寄せた。原監督ならではの独創的な視点で藤井2冠の強さの理由を推察。さらには駅伝と将棋の共通点などを明かした。(構成・竹内 達朗)

 小学生の頃、祖父に将棋を教わり、よく友達と勝負していました。強くありませんが、今も時間がある時は、将棋を楽しんでいます。

 藤井2冠からは「将棋が大好き」という気持ちがにじみ出ている。だから、強いのだ、と思います。マラソン、駅伝も同様です。「走ることが大好き」な選手が強くなります。

 駅伝と将棋。共通点があります。選手を駒に例えることはイメージが良くないかもしれませんが、持ち味を生かすという点では同じ。例えるならば、飛車角はエース。飛車はスピードがある選手で、角は力強い選手。今季のチームで言うと、吉田圭太(4年)が飛車、岸本大紀(2年)は角ですね。金と銀はオールマイティーな主力選手。主将の神林勇太(4年)、飯田貴之(3年)が金銀です。個性的な岩見秀哉(4年)は桂馬、突破力がある湯原慶吾(3年)は香車でしょう。

  • 藤井2冠と同じく今季の学生駅伝2冠を狙う原監督は「と金」の重要性を強調した
  • 藤井2冠と同じく今季の学生駅伝2冠を狙う原監督は「と金」の重要性を強調した

 そして、私が最も大事な駒と考えるのが歩です。将棋と同じくほぼ半分の選手は歩です。歩は弱くないということを強調したい。歩は一歩ずつ前に進むことで「と金」になる。例えば、これまで3大駅伝に一度も出場したことがない新号健志(4年)はコツコツと努力を続け、最終学年の今季、「と金」になりつつあります。歩の選手を金に成長させることが私の仕事です。

 監督は決して「王将」ではない。王将はチームそのもの。タスキです。我々の「王将=タスキ」を勝たせるために全員が力を合わせるのです。

 藤井2冠の師匠・杉本昌隆先生(51)とは2年ほど前にテレビ番組で共演した際、お話ししたことがあります。温厚な方ですが、その中に厳しさもある。若者の才能を引き出す指導に感服します。

 藤井2冠は、ここ一番で誰もが驚く一手を指しますよね。定跡にとらわれない大胆な発想に共感します。ただ、そこにたどり着くまでに多くの定跡を学び、基礎を固めたことを思います。

 我々、青学大駅伝チームも、これまでの強豪校と違ってチャラチャラしているように見えるかもしれませんが、その裏で走り込みや体幹トレーニングを地道にしつこく、やっています。

 今季の学生3大駅伝は出雲駅伝が新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となりましたが、全日本と箱根駅伝の2冠を全力で狙います。

 藤井2冠は走ることも得意と聞いています。今度、ぜひ、青学大の練習場に来てください。同世代の学生と一緒に走ったり、語り合ったりすることができればうれしいですね。(青学大監督)

 ◆原 晋(はら・すすむ)1967年3月8日、広島・三原市生まれ。53歳。世羅高3年時に全国高校駅伝4区2位。中京大3年時に日本学生5000メートル3位。89年、中国電力陸上部に1期生で入社。27歳で引退後は「カリスマ営業マン」と呼ばれた。2004年、青学大監督に就任。テレビ出演多数で自他ともに認める日本陸上界の異端児。19年4月から青学大の地球社会共生学部の教授を兼務。家族は妻の美穂さん(52)。

 ◆青学大の学生3大駅伝タイトル 2012年出雲駅伝で初優勝。以来、今年の箱根駅伝まで通算11勝。歴代最多は21勝で駒大と日体大が並ぶ。青学大は歴代6位だが、14年度以降の6年間17戦(14年の出雲駅伝は台風のため中止)では10勝と驚異の優勝確率5割8分8厘を誇る。16年度は史上4校目の3冠を達成した。

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藤井2冠と同じく今季の学生駅伝2冠を狙う原監督は「と金」の重要性を強調した
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