藤井聡太2冠 楽しみながら!? 指した危険な「封じ手」で全てが一変…高橋道雄九段

「8七同飛成」の動きが書き込まれた封じ手用紙
「8七同飛成」の動きが書き込まれた封じ手用紙

 封じ手は昨日付の本紙で予想した△8七同飛成。今朝、対局が再開してからは藤井新王位のペースになりました。あの局面までの序盤は木村前王位が先手らしく「自分の指したい手」を続け、後手が付いていく展開でしたが、あの一手には全てを一変させるような強烈な意味がありました。

 いえ、その後の展開が容易になったわけではないんです。後手玉が中段を泳ぐ形になって危なかったのですが、不思議と私には藤井さんが危険を楽しんでいるように見えました。一気に踏み込んだ封じ手も危険な一手でしたけど、果敢な攻めにもギリギリの受けにも喜びを感じて指しているように思えた。小さな子供が将棋を指してドキドキする時の思いを、藤井さんは今も体現している気がするんです。そのような姿勢を支えているのは、言うまでもなく深く局面を読める能力です。

 52手目、△8八歩から寄せを構築した手順も見事でした。先手の桂馬が自陣の玉頭に跳んでくる展開になるので、本当は怖いんです。でも彼には楽しい、面白い局面だったのかもしれません。

 私も26歳の時、王位と棋王の2冠を獲得してとてもうれしかったことを覚えていますが、谷川浩司さんや羽生善治さんのように、頂点の棋士にとっては2冠は通過点で、藤井さんも同じだと思います。私は2冠を保持した状態で3冠には挑戦することはできなかったので…。

 これから数年の将棋界は、戦国時代というより藤井さんを中心に動いていきます。全冠制覇を実現するかどうかが最大の焦点になると思います。(談)

 ◆高橋 道雄(たかはし・みちお)1960年4月23日、東京都北区生まれ。60歳。故・佐瀬勇次名誉九段門下。80年、四段(棋士)昇段。83年度王位戦で史上最低段(当時)の五段で初タイトルを奪取。獲得タイトルは王位3、棋王1、十段1の通算5期。重厚な棋風の居飛車党。52歳まで順位戦A級に在籍した。棋界随一のサブカルフリークとしても知られる。

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