藤井聡太新王位「4連勝は望外」羽生超え28年ぶり最年少2冠&ひふみん超え62年ぶり最年少八段

「二冠」と書いた色紙を手に笑顔を見せる藤井聡太新王位(カメラ・馬場 秀則)
「二冠」と書いた色紙を手に笑顔を見せる藤井聡太新王位(カメラ・馬場 秀則)

 将棋の藤井聡太棋聖(18)が木村一基王位(47)に挑戦した第61期王位戦7番勝負第4局が19~20日、福岡市の大濠公園能楽堂で行われ、後手の藤井棋聖が80手で勝ち、4連勝で王位を奪取した。28年ぶりに「史上最年少2冠」、62年ぶりに「史上最年少八段」の記録を更新した。対局後は「4連勝は望外。実力以上の結果が出たと思います」と、14歳でデビューから負けなしの29連勝を記録した時に度々口にしていた「望外」のフレーズを再び用いて喜びを語った。

 午前9時の対局再開時、立会人が読み上げた封じ手「△8七同飛成」が18歳の高校3年生を2冠に導く一手となった。人間の常識にはなく、AIが最善手と示していた一手。「分岐点で自信のない局面でしたが、強く踏み込んで何とか勝負しようと思いました」

 盤上最強の駒である飛車を切って銀と交換。一気に勝負が瓦解してしまうリスクもある中で、爽やかに踏み込んだ。「あの局面から攻める展開になったと思います。積極的に行ったのが結果的に良かったのかな、と」。先手の木村が主導権を握っていた中盤で攻勢を仕掛け、そのまま投了に追い込んだ。2つ目のタイトルは、ストレート奪取となった。

 昨年度に史上最年長で初タイトルを獲得した木村を相手に、藤井の指し手が勝負どころでさえ渡った。「内容的に押されている将棋が多かったので4連勝は望外。実力以上の結果が出たのかなと思います」。まだ14歳の頃、デビュー11連勝時に語って話題になった「望外」を再び用いた。「木村王位の力強い手も立ち居振る舞いも勉強になりました」と先輩への敬意も忘れなかった。

 終局後の記者会見では、力強い筆致で「二冠」と色紙に記した。その隣には、やや控えめな「王位 藤井聡太」の文字。棋聖戦、王位戦の計8局を駆け抜け、ダブルクラウンを手にした夏を「初めてのことばかりでしたけど、盤上盤外、得難い経験ができました」と振り返った。

 18歳1か月での2冠獲得は、1992年度に棋王、王座を獲得した羽生善治九段(49)の21歳11か月を28年ぶりに更新する最年少記録。また、タイトル2期獲得によって20日付で八段に昇段し、58年に加藤一二三九段(80)=引退=が残した18歳3か月の最年少記録を62年ぶりに塗り替えた。「実感は湧きませんが、強くなる目標は変わりません。一層精進したいです」

 14歳でのデビュー時から列島を沸かし続けた藤井。自分をまだ少年と思うか、もう青年と思うか。そう問われると、小考に沈み「今年18歳で、タイトルホルダーにもなって将棋界を代表する立場になりますので、自覚は必要かなと思います」と言った。

  • 今年7月、初タイトルの棋聖を獲得した際の色紙は「初戴冠」だった

    今年7月、初タイトルの棋聖を獲得した際の色紙は「初戴冠」だった

 退席の際、2冠となった高校3年生は振り返って深々を頭を下げた。顔には無精ひげが少し。もう藤井聡太は少年ではない。(北野 新太)

 ◆藤井 聡太(ふじい・そうた)2002年7月19日、愛知・瀬戸市生まれ。18歳。杉本昌隆八段門下。5歳で将棋を始める。12年、奨励会入会。16年、史上最年少の14歳2か月で四段(棋士)昇段。17年、史上最多29連勝を記録。20年7月、17歳11か月の史上最年少で渡辺明棋聖から初タイトルの棋聖を奪取。名古屋大教育学部付属高3年在学中。鉄道や地理、世界情勢に詳しい。家族は両親と兄。血液型A。身長170センチ。

「二冠」と書いた色紙を手に笑顔を見せる藤井聡太新王位(カメラ・馬場 秀則)
今年7月、初タイトルの棋聖を獲得した際の色紙は「初戴冠」だった
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