手作りの配信落語会で感じた 二ツ目の団結力と心意気「芸協オンライン寄席 俺たちの深夜」

ライブ配信落語会「俺たちの深夜」に参加した(左から)春風亭吉好、桂竹千代、春風亭昇々、柳亭信楽、瀧川鯉丸
ライブ配信落語会「俺たちの深夜」に参加した(左から)春風亭吉好、桂竹千代、春風亭昇々、柳亭信楽、瀧川鯉丸

 落語芸術協会(春風亭昇太会長)所属の二ツ目が企画したライブ配信落語会「芸協オンライン寄席 俺たちの深夜」が15日にスタートした。

 長年、二ツ目の勉強会として開催してきた新宿末広亭の「深夜寄席」がコロナ禍で年内中止となったため、落語芸術協会公式YouTubeチャンネルでの配信が決定。アーカイブは残さずに、基本は無料で楽しめ、スーパーチャットによる“投げ銭”が出来る仕組みだ。

 初回となる15日は、来年5月に真打ちに昇進する春風亭昇々(35)と、桂竹千代(33)、柳亭信楽(37)が出演。事前に打ち合わせて、アイデアを出し合い3人のトークでスタートさせた。

 昇々は「どうお客さんを引き込むかだと思います。(『深夜寄席』が出来ないので)仕方なくやっているわけではないし、オレたちは楽しくやっているので、お客さんも楽しんでもらえれば…」と語ると、竹千代も「(通常、寄席に)来られない人も見てほしいし、新しいお客さんを開拓したい」と前を向く。信楽も「(配信は)やりにくいですが、地方の人、落語を知らない人にも見てもらいたい。全国的に『深夜寄席ブーム』を起こしたい」と話した。

 「深夜寄席」では行列の整理や“もぎり”など出演者が手分けして行っているが配信の「俺たちの深夜」も同様に手作りだ。春風亭吉好(39)が配信を担当。深夜寄席の“番頭”の瀧川鯉丸(33)も裏方でサポートに徹した。

 吉好は、自費でビデオカメラ、マイク、パソコンなど配信機器を新調し、自ら学んだ配信スキルを提供した。「自分が言い出しっぺなので…。(技術を)自分だけで使うのではなく、みんなで分け合うというか、業界のためになればいいと思う」と話した。鯉丸も「ここから、新しいスタイルが生まれるとうれしいですよね」と協力を惜しまない。

 配信が終わっても、カメラの台数やアングルなど、真剣に議論。従来のスタイルにとらわれることなく、アイデアを出し合っていた。

 21日には「オンライン五派で深夜」として、同チャンネルで落語協会、落語芸術協会、五代目円楽一門会、落語立川流、上方落語協会と所属会派の垣根を越えて、配信落語を行う。

 座布団の上で一人の芸人が多くの登場人物を演じ分ける落語という話芸は、一見すると一匹おおかみのようで、究極の個人事業主のように見えるが、お互いに助け合う“相互扶助”の性格も強い。

 伝統を守りながらも、協力しあいながら新しいスタイルを模索する「俺たちの深夜」。映像を通して、次代を担う若手落語家の心意気を感じて欲しい。(記者コラム・高柳 義人)

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