コロナ禍でも記録ラッシュが続くメジャーの底力

18日のブルワーズ戦で球団新記録となる8連続三振を奪った前田健太(ロイター)
18日のブルワーズ戦で球団新記録となる8連続三振を奪った前田健太(ロイター)

 青息吐息。新型コロナウイルスの集団感染に苦しみ、スケジュールの組み換えをしながらのレギュラーシーズン。それでも3分の1を消化した。サマーキャンプ期間が短く、調整不足を不安視されていたが選手たちは徐々に力を発揮してきたようにみえる。

 これからはポストシーズン進出に向けての熱闘に入っていくわけだが、その前に記録にまつわる話題が賑わせている。キーワードは「consecutive」、「streak」、つまり「連続」だ。

 驚かされたのが無名投手の9連続奪三振だ。それも前人未到、救援でのもの。達成したのはメジャー2年目の左腕テイラー・アレキサンダー(タイガース)だ。昨季は先発で53回2/3を投げて47個の三振を奪っているが、ストライク・アーティストと呼ぶには程遠い。

 ところが8月3日対レッズ戦のアレキサンダーは90マイルから92マイルのフォーシームを抜群の制球でホームプレートの四角に投げ分け、鋭いスライダーを決め球に使って、秋山奨吾を含む9打者から空振り5、見送り4の三振を奪った。「普段は三振を狙う投球はしないけど、今日は5個目を取ったあとは狙った」と、25歳のアレキサンダー。その気迫がア・リーグタイ記録、球団記録タイ達成に繋がったというわけだ。

 そして、ツインズの前田健太。18日対ブルワーズで9回表の先頭打者にヒットを打たれてノーヒッターを逸したものの、8連続三振を奪う球団新記録を達成した。

 ホワイトソックスの4連続ホーマーも痛快な記録だ。61年にブルワーズが初めて記録して以来史上10回目、球団史上では2回目の快挙となる。気の毒だったのはメジャーデビューのマウンドだったノエル・ラミレス(カージナルス)だ。強打の中軸ヨアン・モンカダ、ヤズマ二・グランダル、ホセ・アブレイユ、そしてエロイ・ヒメネスに叩き込まれた。おそらくメジャー史上最悪のデビュー戦として記憶されることになるだろう。

 ゲリット・コール(ヤンキース)は昨年から続く連勝記録を「20」に延ばした。「あれが球界最高の投手だよ」と、アーロン・ブーン監督が賞賛したのは14日の対レッドソックス戦で4勝目を挙げたあとのことだ。7回、95球を投げ、4安打、1失点、与四球0、8奪三振の安定した投球は連勝がまだ続いていくように感じられるものだった。あのロジャー・クレメンスら3人に並んで歴代3位タイとなったコールはカール・ハッベルが持つ24連勝の大記録まで4勝だ。

 そのコールが所属するヤンキースも「streak」

づいている。開幕12試合連続ホーマーの球団新記録。球団史上4回目の開幕ホーム10連勝。1953年の12連勝に次ぐ宿敵レッドソックス相手に10連勝。

 インディアンスはもっと凄い。タイガース相手に昨年から20連勝。究極のカモと苦手。メジャー記録は1969年から1970年のオリオールズがロイヤルズ相手に残した23連勝。戦力を考えると更新は十分あり得るだろう。

 アブノーマルなシーズンを象徴する残念な「記録」も生まれた。選手10名、スタッフ8名のクラスターが発生したカージナルスの15試合連続延期。さらにメジャー全体での3週間連続、毎日少なくても1試合の開催延期だ。

 メジャーの「streak」系のアンタッチャブル・レコード(不滅の記録)といえば、すぐに浮かぶのがジョー・ディマジオの56試合連続安打、カル・リプケン・ジュニアの2632試合連続出場などがあるが、これはいわば裏アンタッチャブル・レコードということになる。というか、更新はご免被りたい。あくまでもアンタッチャブルは表で。後半戦の熱闘の中から、どんな快挙が達成されるだろうか。(スポーツジャーナリスト・出村 義和)

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