中村獅童と初音ミクが競演する超歌舞伎「夏祭版 今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)」がネット生配信

スポーツ報知
超歌舞伎「夏祭版 今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)」で共演した初音ミクと中村獅童

 インターネット上で開催されたニコニコ動画の夏祭りイベント「ニコニコネット超会議」最終日の16日、今年で5回目となる超歌舞伎「夏祭版 今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)」が無観客、配信限定で上演された。

 超歌舞伎は、日本の伝統的な舞台芸能である歌舞伎と、キャラクターとして16歳の女の子の姿をもつ楽曲制作用音声合成ソフト「初音ミク」(クリプトン・フューチャー・メディア社)がコラボし、伝統芸能と最先端技術の融合による新しい表現を追求する舞台。2016年に初演され、昨年からは京都・南座でも上演されている。本来なら、4月にリアルイベント「ニコニコ超会議」で上演されるはずだったが、新型コロナウィルス感染症の影響で超会議が中止となり、4か月遅れでネット限定のイベント内での無料配信となった。

 公演は東京・豊島区の東京建物ブリリアホール(豊島区立芸術文化劇場)で無観客による上演だったが、主演の中村獅童(47)は冒頭、そこに観客がいるのと同じように「お客様!準備はいいですか!」と口上を述べ、「本日は無観客でございます。しかしながら、盛り上がらないわけがございません。なぜなら、今までの公演での皆様の笑顔、涙、ペンライトを使ってのご声援…これが私の目に、耳に、焼きついております…おいみんな!コメント待ってるぜ!」と配信視聴者に呼びかけた。

 ユーザーが、デザインされた「萬屋!」「初音屋(初音ミクの超歌舞伎の時の屋号)!」といった大向こうのかけ声のスタンプ、あるいは「おひねり」を配信画面に有料で投稿できるシステムや、会場の客席には視聴者の書き込んだコメントが映像で流され、演者にも見られるようにしたりといった、無観客配信ならではの趣向も盛り込まれた。

 演目は2016年、19年に上演された初音ミクの楽曲「千本桜」と歌舞伎の「義経千本桜」をモチーフにしたオリジナルストーリー。今回は配役が事前に公開されなかったが、これまで主人公の佐藤忠信(千本桜を守る白狐の化身)を演じていた獅童が、敵役である青龍の役に回り、青龍役だった澤村國矢(42)と獅童一門の中村獅一(39)がダブルキャストで忠信役を演じた。「美玖(ミク)姫」として舞台に立つ初音ミクも、あでやかな舞いを披露したり、青龍の吐く炎を浴びて苦しむ場面などを熱演し、配信画面には「初音屋!」の大向こうのスタンプが飛び交った。

 今般の社会情勢も色濃く反映され、忠信と青龍が戦う場面では、ソーシャル・ディスタンスを守り、舞台上が密にならないよう、舞台の上段と下段に分かれて忠信役の2人が青龍の映像と殺陣を繰り広げたり、青龍を倒して千本桜を守った忠信が「三千世界の人々よ 疫病収束の願いを込め たとえこの場に集うことかなわずとも皆々を いかなる妨げ乗り越えて ともに心をひとつとなし 各々がいますところより あまたの人の言の葉を…それぞれの胸に宿りし思いのたけを灯りとして…千本桜に再び花を」と視聴者に呼びかけるなどの演出も。配信画面は視聴者が投稿した桜の花で埋め尽くされた。

 歌舞伎は今月に5か月ぶりに公演を再開したが、観客は通常の半分、大向こうも禁止されるなど、新型コロナウィルスの影響はいまだに大きい。この公演が約半年ぶりの舞台という國矢は「今日このように舞台に立てたことを本当にうれしく思います」と声を詰まらせ、獅一も「獅童さん、國矢さんと並んでいることが夢のよう。これを夢にしないように、これから先の歌舞伎を盛り上げていければ」と決意を新たにした。

 6月には南座で2回目の超歌舞伎公演が予定されていたが、これもコロナ禍のため中止となった。獅童は「必ずリベンジ公演をさせていただきます。ご期待ください。また会おうぜ!」と公演を締めくくった。

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