◆JERAセ・リーグ 巨人1―4中日(16日・東京ドーム)
巨人は今季最少の2安打に終わり、丸のソロによる1点だけで敗れた。中日・大野雄には、5安打1点に抑えられた7日に続き、2戦連続で完投勝利を許した。同一投手にシーズン2完投を許したのは4年ぶりで、原監督は「我々の策に甘さがあるのかもしれない」と反省した上で「やられたらやり返す」と“倍返し”を宣言した。
打つ手がほとんどなかった。原監督は潔く、相手をたたえた。大野雄の強気の投球に、2安打に封じられ「かなりいいピッチングをされていたね。なかなか見せ場がなかったね」と切り出した。今季4度目の連敗。中日戦も2カード連続で負け越した。
またしても大野雄にねじ伏せられた。7日の前回対戦(ナゴヤD)で1失点完投勝利を許した左腕との再戦。だが、本拠地に舞台を移しても、リプレーを見るように巨人打線のバットは空を切った。最速151キロの直球でどんどん押してくる投球の前に、安打は丸のソロ弾と岡本の二塁打の2本のみ。この日も10奪三振1失点で、2戦連続完投勝利を献上した。16年に同じく大野雄に許して以来、4年ぶりの屈辱だ。
中8日と短い間隔では、大きく投球スタイルは変わるべくもなく、データも十分そろっていただろう。その上で連破、しかも完投されては問題が根深くなる。傾向や分析、狙い球の指示は的確だったか。原監督は「何か、我々の策に甘さがあるのかもしれない。選手は懸命にやっているわけだから。どういう指示、正しい指示を出していたのかをコーチに問いたいね」とベンチの責任も指摘。反省を促し、雪辱を期待した。
役割を全うするという点では、守備でスキを見せた場面もあった。同点で迎えた5回無死一塁。阿部の右前安打で、一塁走者・高橋は一挙に三塁を目指した。右翼手・石川は三塁へダイレクト送球を試みたが刺せず、やや高い軌道となったことで打者走者・阿部にまで二塁進塁を許した。原監督は「あれは自分が1人でいけると思ったとしても『カットだ』と。これはもう(石川)慎吾には焼きごてつけてやっとけって言った。外野手の基本中の基本だしね」と戒めた。同点の一、三塁と二、三塁では守備隊形も、投手の心理もまた違ってくる。打線が本調子とは言えない今こそ、基本に立ち返り、個々ができることを全うしたい。
28日からも中日3連戦(東京D)が待っている。このままのローテーション通りならば、大野雄や15日に来日初勝利を献上したロドリゲスと対戦することになる。
「やられたら、やり返す! それがプロ野球だから」。指揮官は、倍返しだ!と言わんばかりに力を込めた。やられっ放しでは男が廃る。意地を見せる時だ。(西村 茂展)
◆“元祖”焼きごて◆19年4月14日 巨人―ヤクルト戦(東京D) 開幕ローテ入りの畠が先発。1点リードの3回に一挙5失点。3回9安打6失点でマウンドを降りた。試合後に原監督は「(相手に球種が分かる)癖が出てる」と指摘。「150キロ出ても、まっすぐ行きますよって放っていたら、そうそう抑えられない。私も含めて担当コーチが、焼きごてを入れるくらい反省しないといけない」と話した。