【メディカルNOW】PCR検査「世田谷モデル」で10倍の検査数へ

 東京・世田谷区がPCR検査を拡充しようとしている。ニューヨーク州のように「いつでも、だれでも、何度でも」検査を受けられるようにするため、今は1日に200~300件の検査を10倍の2000~3000件に増やそうというのだ。

 PCR検査は現在、保健所、地方衛生研究所、医療機関、民間検査会社、大学などで行われている。同区の場合、地元の世田谷区医師会が設けた「地域外来・検査センター」が委託する民間検査会社の能力を増強することを考えている。

 具体的には、1日あたり100件のPCR検査ができるオートメーションの検査機器を導入する。さらに1本の試験管に5人分の検体を入れて計測する「プール方式」で検査する。5人分の検体が陰性なら全員陰性。陽性反応が出たら5人の検体を再検査して陽性者を特定する。これで検査能力が5倍近くになる。

 こうしてPCR検査を拡充し、区内の医療機関、高齢者施設、保育園などから始め、ゆくゆくは希望する区民全員が検査できるようにするという。検査にかかる経費は寄付金などでまかない、無料で行う予定。

 世田谷区が手本にする米ニューヨーク州では、希望者全員が無料でPCR検査と抗体検査を受けられ、1日に6万6000人の検査を実施している。同州(人口1945万人)は4月上旬のピーク時は1日に1万人の新規感染者を出していた。大規模検査で感染者を隔離した結果、現在は1日500~800人に減少し、陽性率(検査件数に対する陽性者の割合)もピーク時の50%から1%に低下した。感染拡大を抑え込むには検査数を増やすしかない。世田谷モデルが注目される。(医療ジャーナリスト・田中 皓)

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