【ヤクルト】“ライアン”小川泰弘ノーヒットノーラン…史上82人目「実感はないです」

ノーヒットノーランを達成した小川(中)は、満面の笑みを見せながらナインとタッチ(カメラ・矢口 亨)
ノーヒットノーランを達成した小川(中)は、満面の笑みを見せながらナインとタッチ(カメラ・矢口 亨)

◆JERAセ・リーグ DeNA0―9ヤクルト(15日・横浜)

 ヤクルトの小川泰弘投手(30)が15日、横浜スタジアムで行われたDeNA11回戦でプロ野球史上82人目、通算93度目のノーヒットノーランを達成した。打者32人に対して3四球と2失策による走者を出しただけで自身初の10奪三振。135球の快投で、通算70勝目を大記録で飾った。昨年9月14日の大野雄(中日)に続き、セ・リーグでは40人目(43度目)。ヤクルトでは06年のガトームソン以来で、前身の国鉄時代を含めて8人目(9度目)の快挙だ。

 崩れなかった小川のポーカーフェースに、ようやく控えめな笑みが浮かんだ。9回2死走者なし。フルカウントで乙坂から空振り三振を奪うと、小さくガッツポーズをつくった。創価大4年春以来の無安打無得点。あっという間にベンチから山田哲らが飛び出し、マウンドでウォーターシャワーと拍手の輪ができた。

 「実感はないです。前回、悔しいピッチングをしていたので、何とかやり返したい気持ちでした」。直球に力があり、安定感と制球力は抜群だった。8日の同カード(神宮)は5回4失点。自身の敗戦からチームの5連敗が始まった。8回には四球と味方の失策で無死一、二塁のピンチを背負ったが、ミスをした広岡を逆にねぎらった。打者に集中し、後続を退けた。

 年始に誓いを立てた。「今年は勝ち切れる投手を目指してやっていきます」。昨年は5勝止まり。勝負どころで力を発揮できず、最下位に沈んだ責任を痛感した。6月の開幕前には大乱調。練習試合で予定された投球数を超え、イニングが打ち切られたこともある。弱気を感じ取った高津監督から「今年は必ずいい1年になる」と繰り返された。再生選手に指名する指揮官の暗示に、攻める気持ちを再び思い出した。

  • セ・リーグのノーヒットノーラン投手

    セ・リーグのノーヒットノーラン投手

 昨季まで自主トレを行っていた元巨人の上原浩治氏も後押ししてくれている。開幕前に「本番までしっかり調整してよ」とSNSでダメ出しも受けたが、この日の試合後に「格好いいやんかぁ」と師匠もできなかった快挙を祝福された。昨季の白星に早くも並び、ここから真価が問われる。

 石川らが離脱し、チーム状況は依然苦しい。高津監督は「制球、変化球のキレが良かった。連敗を止めるなら、打線が爆発するか完封するかと思っていた」と絶賛した。自らの代名詞で、理想に掲げるノーラン・ライアンは7度達成。「今日をきっかけとして、強気のピッチングを続けていきたい」。汗びっしょりで喜びに浸ったが、気持ちはもう次戦を見据えていた。(田島 正登)

 ◆ノーラン・ライアン(Nolan・Ryan)1965年にドラフト12巡目指名でメッツに入団し、翌年メジャーデビュー。93年の引退までエンゼルス、アストロズ、レンジャーズなどでプレーした。左足を高く上げる独特の投球フォームが有名で、小川も参考にしたことから“ライアン”の異名がついた。大リーグ通算807登板で324勝292敗、防御率3.19。ノーヒットノーランは大リーグ最多の7回。通算5714奪三振、シーズン383奪三振は大リーグ記録。最優秀防御率2回、最多奪三振11回。99年に殿堂入りした。73歳。

 ◆小川 泰弘(おがわ・やすひろ)1990年5月16日、愛知・田原市生まれ。30歳。成章高―創価大を経て、2012年ドラフト2位でヤクルト入団。1年目に16勝を挙げ、新人王、最多勝、最高勝率に輝いた。通算170試合に登板し、70勝53敗、防御率3.51。171センチ、80キロ。右投右打。年俸9000万円。独身。

試合詳細
ノーヒットノーランを達成した小川(中)は、満面の笑みを見せながらナインとタッチ(カメラ・矢口 亨)
セ・リーグのノーヒットノーラン投手
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