【巨人】投手・増田大輝で救援温存「最善策」…原監督の過密日程乗り切る究極の危機管理

スポーツ報知
8回途中、6番手でマウンドに上がった増田大輝(カメラ・橋口 真

◆JERAセ・リーグ 阪神11―0巨人(6日・甲子園)

 巨人・原監督が内野手の増田大を登板させた。5番手・堀岡が阪神打線に打ち込まれて0―11となった8回1死に起用した。連戦続きのタフな今季を乗り切るために、残りの救援投手を温存する「最善策」。巨人が野手を登板させるのは1950年の2リーグ分立後、初めて。増田大は2/3回を無安打で“敗戦処理”した。打線は阪神・高橋に7回11三振を喫するなど今季2度目の完封負け。甲子園でのこの3連戦は2勝1敗で、7日からは中日との3連戦(ナゴヤD)に臨む。

 甲子園にどよめきが巻き起こった。11点差となった8回1死、マウンドに上がったのはなんと、内野手の増田大だった。近本を二ゴロ、江越には四球を与えたが、最後は虎の4番・大山を右飛に仕留めた。最速138キロにスライダーも4球交え、2/3回を無失点に抑えた。原監督も「堂々とストライクが入るのは見事。まさにユーティリティーだね」と超万能選手をたたえた。

 緊急登板で“大役”を見事に果たした。0―4の8回、堀岡が5番手でマウンドへ。だが、中谷に満塁弾を浴びるなど1死しか取れないまま4安打2四球7失点の大乱調。その時点で残っていた投手は中川、大竹、鍵谷、大江と勝ちパターンのリリーバーのみで、指揮官は“温存”を選択。「チーム最善策ですね。あそこで堀岡を(続けて)投げさせる方がはるかに失礼なこと。でも、あそこをフォローアップする投手はいない」と説明した。

 快足と内外野を守れる万能性が売りの増田大だが、徳島・小松島高時代は、エースとして3年夏の県大会4強入りした経験も持つ。堀岡が植田に押し出し四球を与えたところから三塁ベンチ前で岸田を座らせてキャッチボールを開始。数球投げただけで、内野手用のマイグラブでマウンドに上がった。「しっかり抑えられて、投手が投げずに済んだのは良かった。甲子園で投げられて、うれしくなりました」とまで言ってみせた。

 まさに究極の危機管理だが、思いつきではない。今季は新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が3か月遅れ、過密日程を極めるシーズンだ。「一つの作戦だからね。やっぱり6連戦6連戦の中ではね」と原監督が温めていた秘策。メジャーでも大差がついた展開で野手が登板することはままある光景で、イチローや青木も経験したことがある。米国にコーチ留学経験を持つ後藤野手総合コーチは「いつかどこかで絶対出てくるから、一応頭には入れておいて」と昨年から増田大に有事の際の登板を指示していた。

 打線は振るわず、高橋に7回で11三振を喫するなど今季ワーストタイの3安打で、今季2度目の完封負け。「チームにとって、増田大の投球は大変助かりました。リリーフ陣も含めて、あそこで止めてくれた」と原監督は感謝した。投手陣の奮起も促す結果なら、次につながる“負け方”と言える。(西村 茂展)

 ◆増田 大輝(ますだ・だいき)1993年7月29日、徳島県生まれ。27歳。2012年に徳島・小松島高を卒業し、近大に進学も1年時に中退。鳶(とび)職に就きながら14年から2年間、独立リーグ四国IL・徳島でプレー。15年育成ドラフト1位で巨人入団。172センチ、68キロ。右投右打。今季30試合出場し、19打数4安打1打点、打率2割1分1厘、リーグ2位の9盗塁。

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