【2019年8月4日】渋野日向子が日本人2人目メジャー制覇…満塁で見せる「勝負の目」

渋野日向子
渋野日向子

◆米女子プロゴルフツアー メジャー最終戦 AIG全英女子オープン(英国ミルトンキーンズ・ウォバーンGC)

 休日だった私は自宅で一人、「しろくま」アイスを食べながら、AIG全英女子オープン最終日のテレビ中継を見ていた。渋野がウィニングパットを沈めて左手を高々と突き上げた歓喜の瞬間は「マジか」と思わず、ひとり言をこぼした。一人でさみしいのでツイッターを開くと「渋野 マジか!マジか!…」と興奮気味につぶやく人が続出していた。現地時間2019年8月4日(日本時間8月5日朝)。誰も想像もしていなかったことが起きた。

 テレビを見終えると、上司から電話がかかってきて、始発の新幹線で渋野の地元・岡山へ取材に行くことになった。突然の訪問だったにも関わらず、私は一日かけてさまざまな関係者に協力してもらい、“しぶこ”の原点を聞くことができた。中でも渋野が小学生時代にソフトボールの指導を受けていたスポーツ少年団の監督・岩道博志さんの話に、はっとした。

 全英最終日の3番で、渋野は痛恨のダブルボギーをたたき、2位に後退した。ツイッターでも「ダボかぁ」とつぶやく人が多かった。だが、テレビ観戦していた岩道さんの見方は違った。「勝負の目になっとった」。心配することなく、教え子を信じた。それは、投手だった小学生時代、満塁のピンチを抑えたときに「よう、しとった(よくしていた)」という目をしていたからだった。「3番ダボでもやるじゃろ?と思った」。結果は、岩道さんが信じた通りの大偉業。この話を聞いていた私は、昨季国内ツアー最終戦LPGAツアー選手権リコー杯の最終18番で、渋野が迎えた約2メートル半のバーディーパットを「入れるだろうな」と思った。打つ前に、この目をしていたからだった。

 現在、新型コロナウイルスの感染者が増え続け、昨年8月には誰も想像していなかった世界となっている。「コロナうつ」という言葉がテレビで特集されたり、苦しくつらい日々を送る人がたくさんいる。コロナ禍でスポーツやエンターテインメントを「不要不急」とする意見もあるが、私の個人的考えとしてはスポーツが憂うつな気持ちで過ごす日々を変える“きっかけ”になることもあると思っている。今だからこそ、渋野をはじめ、アスリートには思いを込めたプレーでそんな“きっかけ”を届けてほしいと思う。(ゴルフ担当・宮下 京香)

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