“半沢メンバー”も大活躍の8月歌舞伎座 再開した劇場は「拍手と静寂」の未知の世界

歌舞伎座では劇場スタッフが看板で感染予防対策を案内(松竹提供)
歌舞伎座では劇場スタッフが看板で感染予防対策を案内(松竹提供)

 東京・歌舞伎座「八月花形歌舞伎」(26日まで)には、放送中のTBS系連続ドラマ「半沢直樹」(日曜・後9時)でおなじみの片岡愛之助(第一部「連獅子」)、市川猿之助(第三部「吉野山」)、市川中車(香川照之、第四部「与話情浮名横櫛」)が大きな役で出演中。ドラマとは全く違う姿を見せています。

 1日に歌舞伎座へ。5か月ぶりの再開ですが、コロナ感染予防でこれまでとはずいぶん異なる劇場、客席空間が広がっていました。開幕前には私語は控えて欲しい、という場内アナウンスも流れます。上演前といえば、楽しみな気持ちの高揚感もあって客席はザワザワするもの。しかし今回は開演5分前に席に着くと、こわいくらいシ~ン。未知の静寂に包まれるのです。しかしその静けさをお客さん同士で共有し、連帯感が生まれているようにも感じられます。

 役者が登場すれば、なかなか拍手は鳴り止みません。舞台で役に集中する俳優たち。拍手の強い響きは、一瞬でも役から我に返ってしまえば、涙があふれ出るのではないかと思えるほどです。歌舞伎に不可欠とされてきた大向こうの掛け声も、いまは禁止。観客側が気持ちを伝える手段は拍手しかないのです。前方の和服の女性は目頭を押さえていました。各々、去来するものがあるのでしょう。

 終演時も長い拍手が続きます。そして再び、静寂に包まれます。さっきまでの賑わいがウソのよう。同時に舞台のはかなさを感じたりもします。観劇の余韻も内に秘めて。初日はお客さんが劇場に入るときも出るときも、びっくりするくらいスムーズで混乱はありませんでした。

 歌舞伎は約400年続く伝統芸能です。今回、演目選びから上演方法、観劇スタイル他、あらゆる面で変化しました。これ以上出来ないくらいの感染予防対策は、歌舞伎の歴史を絶やすまいという気持ちにも支えられているでしょう。一日、一日が初日であり千秋楽のような真剣勝負が続きます。(内)

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