【歌舞伎記者が見た】掛け声禁止で拍手に力 新しい観劇スタイルのモデルに

花道で踊る片岡愛之助(左)と中村壱太郎(松竹提供)
花道で踊る片岡愛之助(左)と中村壱太郎(松竹提供)

 再開初日の先陣を切って愛之助が登場すると劇場内が大きな拍手に包まれ、胸が高鳴った。前日、静まり返った歌舞伎座で無観客の舞台稽古を取材していたこともあり、愛之助が先月の本紙インタビューで言っていた「歌舞伎はお客さまに参加していただいて完成するもの」という言葉の意味を実感した。

  • 再開した歌舞伎座で入場のため並ぶ人たち
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 歌舞伎ファンにとっては待ちに待った公演再開。飛沫(ひまつ)防止のため、掛け声(大向こう)、歓声が禁止になったことで一層、拍手に力が込められたように感じられた。観客の多くはなじみの役者が登場する度に心の中で「待ってました!」と叫んだことだろう。観客を迎える歌舞伎座スタッフも梅雨明けの青空のように晴れやかな表情が印象的だった。

 換気促進のため史上初めて客席内の扉が全て開けた状態で上演された。音響、空調効果の低下が懸念されたが、違和感を感じることはなかった。むしろ前後左右が空席となったことでゆったりと座れて、前方の視界も良好だった。

 歌舞伎座では事前の抗体検査、PCR検査も含め、演劇界では最高レベルの感染予防対策を実施している。今後も試行錯誤しながら興行を続け、修正を求められることもあるだろう。その都度、臨機応変に対応する姿勢も含めて歌舞伎座の予防対策が、コロナ禍における新たな観劇スタイルのモデルケースになればと思う。(歌舞伎担当・有野 博幸)

花道で踊る片岡愛之助(左)と中村壱太郎(松竹提供)
再開した歌舞伎座で入場のため並ぶ人たち
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