テニスツアー大会再開目前 悩む選手たち全米出場? 回避?

 新型コロナウイルスの影響で3月中旬から中断しているテニスのツアー大会は、3日開幕のパレルモ女子オープン(OP・イタリア)から再開する。男子は22日開幕のウエスタン・アンド・サザンOP(米ニューヨーク)が初戦になる。先月29日に発表されたエントリーリストに、日本勢は米フロリダ州で練習を続ける世界ランク31位の錦織圭(30)=日清食品=のみ。日本滞在中の選手は複雑な事情と不安を抱える。

 日本2番手の48位につける西岡良仁(24)=ミキハウスは現時点で予選からの出場になる。米国行きは「コロナの状況を見て、という感じ。まだ50:50。ぎりぎりまで待つ」と態度を保留している。ランキング制度の変更により前年大会8強で得たポイントが維持できる。予選からの出場になった場合、感染リスクを冒してまで出場するメリットは薄い。米国がスポーツ選手に対して入国制限を免除したのは追い風だが、依然として「全世界から人が来る不安」(西岡)は大きい。

 世界ランク90位の内山靖崇(27)=積水化学=は「出ない選択肢はない」という。システム変更でポイントは減らないものの、「周りが(ポイントを得て)上がれば自分は(順位が)落ちる」ことには変わりがない。1年延期された東京五輪出場を目指す上で、ポイント加算のチャンスを逃すわけにはいかない。

 全米OPに本戦から出場できる見通しの同117位の添田豪(35)=GODAI=も「出られるだけでもありがたい」と渡米予定。実現すれば2017年全豪以来の4大大会本戦となる。ぶっつけ本番が濃厚ながら「ケガのリスクはかなり高いが、それでもいいや、くらいの気持ちで」臨む。

 一方で同155位の伊藤竜馬(31)=北日本物産=は米国遠征に「たぶん行かない」と決めた。ランクを考えると予選がない全米出場は厳しく、予選からの出場が見込める全仏OP(9月27日開幕・パリ)に照準を切り替えた。「8月中からクレーの準備をしようかな」と計画中で、事前にイタリアやチェコの下部ツアー大会に出ることも考えている。ただ資金面が潤沢ではない下部ツアーは4大大会のようなコロナ対策ができず、中止される可能性も高い。

 「年齢を考えると1、2年は大きい。家族もいるし、日本にいて調整した方がいいんじゃないかとも思うし、出遅れるのもよくない。スケジュールが分からないのはストレスでつらい。ずっとモヤモヤしている。コロナ禍だけどずっと日本にいて居心地の良さを感じていて、どっぷり漬かっていてもヤバイとも思う」と苦しい胸中を明かした。

 毎週のように世界中を転戦してきた選手たちにとって渡航、感染リスクの問題は大きく立ちはだかる。それぞれの状況、世界ランクによって慎重に判断してツアー再開を待つ。

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