◆大相撲7月場所12日目(30日、東京・両国国技館)
照ノ富士の下半身に注目して玉鷲との一番を見た。立ち合いは確実に踏み込んで真っすぐ前に出た。まわしにこだわらずに攻め続け、最後は堂々と寄り切った。押し相撲の玉鷲の前に出る圧力は角界でもトップクラス。その相手に対し、持ちこたえられるだけの下半身に戻っていると確信した。
相撲内容も復活前より良くなっている。以前はすぐに引っ張り込んで、抱え込みながら後ろに投げる癖がついて、これが原因で両膝を痛めた。復活後は、その悪癖を封印している。元大関が序二段まで落ちて味わった屈辱から学んだことだ。
13日目は、いよいよ朝乃山と激突する。右の相四つで組み合うことが予想される。がっぷりになったら照ノ富士に分がある。しかし、朝乃山には右上手を取って頭をつけたり、左右の動きも加えることができる。元大関と現大関の力勝負。大横綱・白鵬が2敗に後退しただけに、しびれる対決になりそうだ。(スポーツ報知評論家)