閉塞感をぶっ飛ばせ 「米朝まつり」にこめた米団治の思いに共感

米朝まつりの開催に並々ならぬ決意をにじませる桂米団治
米朝まつりの開催に並々ならぬ決意をにじませる桂米団治

 上方落語の象徴でもあった人間国宝・桂米朝さんが亡くなって5年。3月に予定されていた「桂米朝五年祭 米朝まつり」は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止され、8月に開催されることになった。長男で、一門の落語家が所属する事務所の社長も務める桂米団治は「8月30日は1日4公演。各公演1時間40分です。SNSで配信もするので長くなるのもどうかなと。SNSで落語を聞いていると、ちょっとだれると会場で聞く以上にだれてしまう。いつもより短くなるが、内容は濃いものにしたい」と、決意をにじませた。

 落語のネット配信は今や当たり前になってしまったが、米団治は「生の魅力に勝るものはない」と言い切る。確かに、7月に再始動した上方の定席・天満天神繁昌亭で久しぶりに聞いた落語には、なんとも言えない感動があった。ではなぜ、米団治が配信を行うのか。それは亡き米朝さんの姿を見ていたからだ。「米朝は仕事がない時や、時間がある時、米朝事務所でみんなのスケジュール帳を見ていた。何も予定が入っていない人を自分の独演会の出番に入れる。みんなの生活のことを考えていた。米朝なら、この時代もあらゆる手を使って動いて行く気がする」と思い出し、自身もアナログ人間を返上しての配信に踏み切ったのだ。

 今回は客席数も半数に絞り、ソーシャルディスタンスをとっての興行になる。まだまだ感染者数も多く、収束の気配は見えない。米団治は「米朝事務所内でも反対意見はたくさんありました。3月からずっと舞台がなくなって、落語会だけでなく演劇界も止まっているところが多い。そんな閉塞感を打破するには、米朝の力を借りなあかんやろ」と開催の理由を語った。演劇の舞台にも立つ米団治だからこそ重みのある「閉塞感」という言葉。宝塚歌劇や劇団四季は少しずつ再開されてきているが、ほとんどの舞台は中止が続いている。この暗い状況を打破できるよう、配信でもいい。大いに笑って、少しでも明るい気持ちを体感してみよう。(古田 尚)

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