出雲駅伝が中止 新型コロナの影響受け安全確保困難…ボランティアの大半が高齢者

昨年大会で一斉にスタートする各校選手たち
昨年大会で一斉にスタートする各校選手たち

 学生3大駅伝開幕戦の第32回出雲全日本大学選抜駅伝(10月11日、島根・出雲市)が新型コロナウイルス感染拡大のため中止すると27日、出雲市が発表した。中止は台風で開催を取りやめた2014年以来、2度目。高齢者が多くを占めるボランティアらの安全確保や、沿道での応援の制限が難しいことなどが要因となった。11月の全日本大学駅伝や来年1月の箱根駅伝の開催に向け、関係各所の協議が注目される。

 晴れ舞台が、また一つ消えた。定例会見で中止を発表した出雲市長の長岡秀人氏(69)は文書を通じ、「『出雲駅伝』を未来につなげるための苦渋の選択であることをご理解いただきたい」とコメント。大会存続のための苦しい決断だったと明かした。

 出雲駅伝は1989年に第1回大会が行われた。現在は出雲大社前スタート、出雲ドーム前ゴールで開催され、箱根駅伝や全日本大学駅伝に比べてはるかに短い。「スピード駅伝」と呼ばれ、例年10月に行われてきた。学生3大駅伝の初戦として注目されており、大会を主催する日本学連は「断腸の思いではありますが、この決定につきましてご理解いただきますよう、お願い申し上げます」とコメントを発表した。

 7月から大会が再開された陸上界だったが、ロード競技は中止が相次いでいる。市によると、2000人以上に及ぶ大会のボランティアの半数近くが高齢者。日本陸連が定めたガイドラインには、65歳以上や基礎疾患を持つボランティアらに重症化するリスクを認識した上で参加してもらうとしているが、市は関係者の安全確保が困難と判断した。

 学生3大駅伝の残す2大会も協議の行方が注目される。出雲駅伝は出雲ドームを中心に市内を1周するコースだが、全日本大学駅伝と箱根駅伝は2県をまたぎ片道100キロ超をつなぐため、実施への難易度は出雲より上がってくる。日本学連の関係者は「いくら我々がやりたいと言っても、自治体の意向がある。行政によって全然違う」と明かす。

 競技場で開催されたホクレンディスタンスチャレンジ第1、2戦(北海道)などは無観客で実施できたが、ロード競技では難しい。箱根駅伝を主催する関東学連の関係者は「前向きに考えているが、状況は刻々と変化する」と見極めていく。一日も早い感染収束はもちろん、学生ランナーの夢をかなえるために、舞台を整える必要がある。

 ◆学生3大駅伝の現状 出雲駅伝は中止となったが、全日本大学駅伝と箱根駅伝は開催に向けて協議と準備を続けている。全日本の関東枠は例年6月に1万メートルのレースを行い、上位8人の合計タイムで争っていたが、今年は昨年1~12月の1万メートルの記録の上位8人の合計タイムで決める「書類選考」に変更。21日に日大や中央学院大など7校が選出された。

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