あおり殴打男「日本中を恐怖の渦に巻き込んだ責任を痛感している」初公判で謝罪

 茨城県守谷市の常磐自動車道で昨年8月に起きたあおり運転殴打など3つの事件で、強要と傷害の罪に問われた会社役員・宮崎文夫被告(44)の初公判が27日、水戸地裁(結城剛行裁判長)で開かれた。被告は「間違いありません」と起訴内容を全面的に認め、「されたと思ったことの何倍にもやり返しすぎた」と“倍返し”してしまったとして反省した。次回は8月31日に論告求刑が行われ、結審する見通し。

 常磐道で男性の車を危険な運転で停止させた宮崎被告が、「殺すぞ」などと、どなりながら男性の顔面を殴打したとされる事件から約1年。衝撃的なドライブレコーダーの“証拠映像”もテレビなどで報じられ、「あおり運転」が大きな話題となった。その初公判で、被告は3つの事件の起訴内容を全て認めた。

 黒いスーツに白のシャツ姿でマスクを着けて出廷。「極めて危険な行為だった」「二度と繰り返さない」と謝罪した。高速道路で被害者を威嚇する映像とは別人のように、緊張した様子で、裁判長に「大きな声で」と注意される一幕も。被告人質問ではマスクを外してフェースシールドを装着。動機については、被害者の車に進路妨害されたと感じ、「同じことをされたら嫌だということを分かってもらおうとした」などと答えた。

 それでも自身の行為については「今振り返ると、やりすぎた。されたと思ったことの何倍にもやり返しすぎた」と、人気ドラマの決めゼリフ「倍返し」をほうふつとさせる言い回しで反省。「やり返す考え自体が間違っていると今は感じる」と真剣な表情で話した。

 起訴状などによると、宮崎被告は昨年8月10日、スポーツタイプ多目的車(SUV)で、常磐道で20代男性の車に対して幅寄せや割り込みを繰り返して停車させた上、男性の顔を殴って軽傷を負わせたとしている。同7月23日には、浜松市の東名高速道路と愛知県岡崎市の新東名高速道路で、乗用車とトラックをそれぞれあおって急減速させたとされる。

 取り消された運転免許を再取得する可能性を問われると、今後十分考えたいとし、「安全運転の模範になるくらいの覚悟を持ちたい」と強調。証拠調べでは、被害車両のドライブレコーダーの映像が、裁判官や被告人席のモニターで再生された。「日本中を恐怖の渦に巻き込んだ責任を痛感している」と陳謝し、立ち上がって傍聴席へ深く一礼した。

 ◆傍聴倍率30倍

 〇…公判は水戸地裁の最も大きな法廷で行われた。同地裁によると、通常は一般傍聴席が30席ほど用意されるが、この日は新型コロナウイルス感染拡大防止で、間隔を空けるため12席に抑えられた。抽選整理券は359枚が配られ、倍率約30倍と、注目の高さをうかがわせた。

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