芸人と広告代理店の“二刀流”「ラランド」サーヤ、兼業どっちも「真剣」ウィズコロナの働き方

スポーツ報知
兼業の魅力を話すラランド・サーヤ

 新型コロナウイルスの感染が広がり、新しい生活様式の中での働き方として副業・兼業が注目を集めている。今月17日に政府が行った「未来投資会議」では、成長戦略実行計画案に副業・兼業の環境整備を行うことが盛り込まれた。安倍晋三首相は兼業について「ウィズコロナ時代の働き方として労働者の期待がさらに高まっている」と話す。そんな現状に先駆けて広告代理店と芸人を兼業しているお笑いコンビ「ラランド」のサーヤ(24)にその実情を聞いた。(瀬戸 花音)

 サーヤは男女コンビ「ラランド」を組み、19年の「M―1グランプリ」では準決勝に進出した唯一のアマチュアコンビとして注目を集めた。だが、注目される理由はそれだけではない。芸人と広告代理店勤務の“二刀流”なのだ。仕事で共演した芸人を、広告代理店としてイベントにキャスティングすることもあるという。

 働き方改革が広まりつつあった18年3月に大学を卒業したサーヤは、家にお金を入れたいという考えから兼業を選んだ。

 「中学高校大学とずっと私立に通わせてもらってて、親がぜいたくなことしているのを見たことがない。なので、自分の生活費だけ稼ぎながら芸人をやるという考えが、そもそもなかったんです」

 現在は6対4で芸人の仕事が多く、どちらも手を抜くことなく取り組んでいる。副業・兼業について政府は17年に閣議決定された「働き方改革実行計画」を踏まえて普及促進を図り、18年にはガイドラインも作成された。それでも、世間の目は簡単には変わらなかった。

 「片手間だと思われて、中途半端なノリなんだろうってフィルターかけて見られたり。やりづらかったです」

 そうした偏見はサーヤの芸人としての活躍とともに減っていった。副業・兼業に対する世間の考えが変化した背景には、新型コロナの影響もある。在宅ワークになり時間的余暇が生まれた人、収入への不安を抱く人々の間で今、副業・兼業は急激に広まりつつある。一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の会社員へのアンケートでは、現在の仕事・働き方の問題を解消する、または満足度を高めるための取り組みとして「副業」を挙げた割合は18年10月時点での51%から新型コロナ禍の今年4~5月時点では66%まで上昇した。

 「今までは仕事を一本に絞るのが格好いいし、一本に絞ってやっている人こそ真剣なんだみたいな雰囲気が強かったと思うけど、ここにきて収入の柱っていうのは何個か持っていた方が安心だという考えが出てきた。本気で何かをやるために、もう一個ちゃんと食いぶちを持つというのも、真剣な態度なのかなと私は思います」

 寛容に対応する企業もあり、働き方は柔軟になってきている。

 「終日収録の日は有給休暇を使うんですが、それ以外はフレックスで朝だけ取材を受けて、そのまま午後出社しますとか。1週間くらい前に申請するんです」

 副業・兼業は前向きに働くための方法だと話し、「レア感」がなくなることを願った。

 「コロナ禍でも会社員をやっていたおかげでライブができない、収入がないお笑いにマイナスな感情を持たずに済んだ。これからも何かがあった時のために、選択肢を残しておくのも大事なのかなと思います」

 ◆サーヤ 1995年12月13日、東京都八王子市出身。24歳。上智大お笑いサークルでニシダと男女コンビ「ラランド」を結成。2018年に学生お笑い全国大会団体戦「NOROSHI」優勝。同年上智大外国語学部卒業後、広告代理店に就職。事務所に所属しないアマチュア芸人としてお笑いの活動も継続中。19年にM―1グランプリ準決勝進出。YouTubeチャンネル「ララチューン」でも積極的に配信している。

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