川内優輝、延期になった世界陸上でベテランの力見せる…インタビュー

北海道・旭川市内の陸上競技場で練習する川内優輝と妻・侑子さん
北海道・旭川市内の陸上競技場で練習する川内優輝と妻・侑子さん

 昨秋のドーハ世界陸上男子マラソン代表で、昨年4月にプロランナーに転向した川内優輝(33)=あいおいニッセイ同和損保=が、25日までにスポーツ報知の取材に応じた。例年なら毎週のようにロードレースに参戦していたが、今はコロナ禍で開催されていない。前例のない困難の“川内流”の乗り越え方、そして東京五輪とともに延期となった2022年ユージーン世界陸上(米国・オレゴン州)への思いを語った。(取材・構成=太田 涼)

 レースがない。最後のマラソンは3月のびわ湖。百戦錬磨の川内が、初めての状況におかれている。

 「国内外、どこのレースも中止。延期発表されても、ボストンのように結局、開催できなくなったりもしている。一つ一つの大会のありがたさを痛感しました」

 4月の緊急事態宣言発令後は、時間と場所を選んで慎重に練習せざるを得なかった。

 「社会人が仕事している平日の昼間や外出する人の少ない雨の日などを選んで、河川敷で距離走を行ったりしました。ポイント練習以外でのマスクは必須でしたね。顔を知っている方も多いので…」

 レースがないことで一時はやる気もしぼんだ。収入は減り、妻・侑子さん(35)より月間走行距離が短くなったこともあった。だが、新たな取り組みでこの危機を乗り越えようとしている。

 「初めて自転車のトレーニングを取り入れました。ママチャリをこぐだけですが(笑い)。あとは試合がない分、10日程度の合宿を何回か組み立てています。妻と2人の時もありますし、市民ランナー仲間と切磋琢磨(せっさたくま)したり。レースに近い雰囲気でやっていきたい」

 北海道・旭川や士別、栃木・日光や岐阜・御嶽山などでしっかりとした土台を作る夏にするという。今月4日に第1戦が行われ、陸上界が再び動き出すきっかけになったホクレンディスタンスシリーズにはエントリーしたが、資格記録で及ばず出場はかなわなかった。

 「ホクレンは出られませんが、やはりスピード不足は課題。焦らずに体を作りつつ、8月以降は埼玉県内などのトラックレースに参戦するつもりです」

 合宿、トラックレースでも力を付ける川内の“新様式”が見えてきた。今後に目を向ければ、東京五輪の1年延期に伴い、世界陸上も21年から22年にスライドされた。プロとしての集大成を見せるべく目標とする大会。代表入りすれば35歳で迎える大舞台を、どう捉えているのだろう。

 「五輪を目指す選手の多くも言っていますが、準備期間が延びたことをプラスに考えています。年齢のことを問題にする人もいますが、それが全てじゃない。最前線で活躍する中本(健太郎、37)さんや岡本(直己、36)さんもいますし、ベテランだからこその強さを見せたい」

 ◆川内 優輝(かわうち・ゆうき)1987年3月5日、東京都生まれ。33歳。春日部東高から学習院大に進み、関東学連選抜選手として箱根駅伝に2度出場。埼玉県庁に就職し、「公務員ランナー」として活躍。2011年大邱、13年モスクワ、17年ロンドン、19年ドーハの各世界陸上マラソン代表。自己記録は2時間8分14秒(13年ソウル国際)。19年3月に埼玉県庁を退職し、4月からプロ転向。175センチ、62キロ。

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