ケンブリッジ、大会新の10秒29…東京五輪「やると信じて準備する」

東京選手権男子100メートル予選第9組に出場したケンブリッジ飛鳥(中)(カメラ・太田 涼)
東京選手権男子100メートル予選第9組に出場したケンブリッジ飛鳥(中)(カメラ・太田 涼)

◆陸上 東京選手権 第1日(23日、東京・駒沢陸上競技場)

 男子100メートル予選で、16年リオ五輪400メートルリレー銀メダルのケンブリッジ飛鳥(27)=ナイキ=が大会新記録の10秒29(追い風0・3メートル)の9組1着で準決勝(24日)に進んだ。新型コロナウイルスの影響もあり、実戦は昨年9月の「富士北麓ワールドトライアル」以来10か月ぶり。東京五輪開幕1年前の節目に迎えた今季初戦で好発進。女子100メートル予選では、日本記録保持者の福島千里(32)=セイコー=が12秒56(追い風0・6メートル)の4組最下位で敗退する波乱があった。

 ケンブリッジは小雨の中を伸びやかに駆け抜けた。コロナ禍の自粛期間を経て、10か月ぶりの今季初戦。「長かった。やっぱり楽しいですね。コロナでいろいろ普段と違う中、協力して大会を開いてもらえてありがたい」と率直な思いが口をついた。緩い追い風の予選で10秒29。初戦としては手応えを感じられた。「完璧ではないが、悪くはない」と笑顔。春から伸ばす口ひげ姿も、板についてきた。

 五輪開幕まで1年の節目に好スタートを切った。「長いようで、(五輪は)あっという間だと思う。この2年は、あまりいいシーズンとは言えなかった。準備する期間が1年増えたと思えば、良かった」と延期を受け止めた。ただ、東京都ではこの日、1日で過去最多となる366人が新たにウイルスに感染。五輪開催の是非自体も取りざたされる。「僕たちにはどうしようもないこと。(五輪を)やると信じて準備するしかない」と眼光を鋭くした。

 リレー侍で銀メダルの栄光を手にしたリオ五輪から4年。男子100メートルは、昨年9秒97の日本記録を樹立したサニブラウン・ハキーム(21)=米フロリダ大=、自己記録9秒98の小池祐貴(25)=住友電工=らが続々台頭した。激しさを増す3枠の五輪切符争い。「早く同じステージで勝負したい。チャレンジャーの気持ち」と、実績ある27歳は闘争心をかき立てられている。昨冬は「自分が知らないうちに体のバランスが大きく崩れていた」と自覚し、上半身と下半身の連動性などを丁寧に見直した。迎えた今季初戦で「自分の動かしたいように体を動かせた」と思えたのも、大きな収穫だ。

 2大会連続の五輪代表入りへ、今季は弾みとする年。今季成績は五輪代表選考に直接関わらないが、日本選手権(10月、新潟)での4年ぶり戴冠と、10秒08の自己記録更新が大目標になる。「ベストを更新して納得する走りをして、来年戦う自信がつけられればいい」。異例のシーズンに力を伸ばせたなら、その先に五輪行きのプラチナチケットが見える。(細野 友司)

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