池江璃花子、大役終えて涙…東京五輪開幕1年前に世界へメッセージ「この場所で希望の炎が、輝いていて欲しい」

聖火の入ったランタンを掲げる池江璃花子(代表撮影)
聖火の入ったランタンを掲げる池江璃花子(代表撮影)
池江璃花子
池江璃花子

 東京五輪・パラリンピック組織委員会は来夏に延期された東京五輪の開会式まであと1年を迎えた23日、会場でもある国立競技場で「一年後へ。一歩進む。~+1(プラスワン)メッセージ~TOKYO2020」と題したセレモニーを実施。白血病からの復帰を目指す競泳女子の池江璃花子(20)=ルネサンス=が、誰もいない国立競技場の中央に立ち、世界にメッセージを送った。

 開会式の開始予定時間と同じ午後8時に、1964年東京大会の記録映像と今春、航空自衛隊松島基地に聖火が届いた様子の映像を流れ、上下白い衣装で揃えた池江が登場。聖火がともったランタンを手に持ち、以下の通りメッセージを語りった。セレモニーは10分ほどで終了したが、大役を終えた池江は感極まり、涙を流した。

 池江璃花子です。 

 今日は、一人のアスリートとして、そして一人の人間として少しお話させてください。

 本当なら、明日の今頃この国立競技場ではTOKYO2020の開会式が華やかに行われているはずでした。

 私も、この大会に出るのが夢でした。

 オリンピックやパラリンピックはアスリートにとって、特別なものです。

 その大きな目標が目の前から、突然消えてしまったことは、アスリート達にとって、言葉にできないほどの喪失感だったと思います。

 私も、白血病という大きな病気をしたから、よく分かります。

 思っていた未来が、一夜にして、別世界のように変わる。それは、とてもキツい経験でした。

 そんな中でも、救いになったのはお医者さん、看護師さんなど、たくさんの医療従事者の方に、支えていただいたことです。

 身近で見ていて、いかに大変なお仕事をされているのか、実感しました。

 しかも今は、コロナという新たな敵とも戦っている。

 本当に感謝しかありません。ありがとうございます。

 2020年という、特別な年を経験したことでスポーツが、決してアスリートだけでできるものではない、ということを学びました。

 さまざまな人の支えの上に、スポーツは存在する。本当に、そう思います。

 今から、1年後。

 オリンピックやパラリンピックができる世界になっていたら、どんなに素敵だろうと思います。

 今は、一喜一憂することも多い毎日ですが一日でも早く、平和な日常が戻ってきて欲しいと、心から願っています。

 スポーツは、人に勇気や、絆をくれるものだと思います。

 私も闘病中、仲間のアスリートの頑張りにたくさんの力をもらいました。今だって、そうです。

 練習でみんなに追いつけない。悔しい。そういう思いも含めて、前に進む力になっています。

 TOKYO2020

 今日、ここから始まる1年を単なる1年の延期ではなく、「プラス1」と考える。

 それはとても、未来志向で前向きな考え方だと思いました。

 もちろん、世の中がこんな大変な時期に、スポーツの話をすること自体、否定的な声があることもよく分かります。

 ただ、一方で思うのは、逆境から這い上がっていく時には、どうしても、希望の力が必要だということです。

 希望が、遠くに輝いているからこそ、どんなにつらくても、前を向いて頑張れる。

 私の場合、もう一度プールに戻りたい。その一心でつらい治療を乗り越えることができました。

 世界中のアスリートと、そのアスリートから勇気をもらっているすべての人のために。

 一年後の今日、この場所で希望の炎が、輝いていて欲しいと思います。

競泳選手 池江璃花子

本日はありがとうございました。

聖火の入ったランタンを掲げる池江璃花子(代表撮影)
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