自律神経障害克服の上田まりえ、1年ぶりの笑顔のまぶしさ…教えてくれたタレントにとっての“仲間”の大切さ

文化放送「なな→きゅう」のパーソナリティーとしての1年を笑顔で振り返った上田まりえ
文化放送「なな→きゅう」のパーソナリティーとしての1年を笑顔で振り返った上田まりえ
「『なな→きゅう』がヤバいとなったら脱ぎます、私」と美脚を披露しつつ、番組への愛を語った上田まりえ
「『なな→きゅう』がヤバいとなったら脱ぎます、私」と美脚を披露しつつ、番組への愛を語った上田まりえ

 1年ぶりに見たその笑顔は、さらに輝きと深みを増していた。

 21日、東京・浜松町の文化放送で行われた上口宏社長の定例会見。ゲストとして登場したのが、昨年の4月改編の目玉としてスタートした朝の帯番組「なな→きゅう」(月~金曜・前7時)の月~木曜パーソナリティーを1年間務め上げ、同局の「朝の顔」になりつつあるフリーアナウンサー・上田まりえ(33)だった。

 新型コロナ対策のマスクをして登場すると、「お久しぶりで~す。上田まりえです。お世話になります」と明るく言って着席。

 「去年の(就任)会見の場でもお話しましたが、(パーソナリティー起用は)ドッキリ(番組)かと思ったところからスタートして、1年がたったあたりから実感と責任を感じるようになりました。ガラッと生活も変わって、うそ偽りなくすべてが『なな→きゅう』のため。ラジオで皆さんと話すために何ができるんだろう、どう過ごしたらいいんだろう、もっと、このことを勉強したいなとか、すべて、こういう話がラジオでできそうだなと考えながら生活しています。自分自身とリスナーさんと向き合う時間ができて、生活が充実するようになりました」と明るく振り返った。

 就任1周年を迎え、「1年でも長く番組を続けたい、頑張ろうと改めて気合が入りました」と上田。今年に入ってからも新型コロナウイルス感染拡大の中、明るく放送を続けてきたが、「(新型コロナが)どういうものか分かっていない不安な気持ちの中で皆さんも生活していたと思います。私も不安な中、2時間の放送を続けてきましたが、皆さんが聞いて明るくなっていただける番組、『今日も笑顔の1日を』と言って毎日(放送が)終わるんですけど、笑顔になっていただけるような番組にしたいなと思っていたので。そこは大事にしようと思って」と真剣な表情で話した。

 さらに「私は川崎市に住んでいるんですが、電車に乗ると、皆さんの不安を抱えている中、仕事に出なければならない不安とかを感じて…。一人ひとりのリスナーさんの気持ちに寄り添えるようにと、いつも考えていました」と続けた。

 曜日ごとの日替わりでタレント・ユージ(32)、「アンタッチャブル」柴田英嗣(45)、「ますだおかだ」岡田圭右(51)ら個性豊かなパートナーを迎えての放送。それぞれの魅力を目を輝かせて明かした上田は「同じ番組でも日替わり弁当を食べる感覚でお楽しみいただける番組になってきているといいなと思っています」とニッコリ。

 特に苦労人の柴田については「いい兄貴分ですごく頼らせていただいてます。『上田さんは真面目過ぎるから、一生懸命やっているのはいいことだと思うけど、もっと力を抜いていいよ』と言って下さって。その時、ちょうど私が悩んでいる時だったので、そうやって見て下さっていることに感激しました」と明かした。

 そう「私が悩んでいる時」という言葉のとおり、1年前に文化放送初の朝の番組の女性パーソナリティーに抜てきされた時、その人生が激動の時を迎えていたのを、私は知っている。

 体調不良によるTOKYO MX「5時に夢中!」降板。松竹芸能を退社しての自身の会社「ドゥ・ストレート」(「ど直球」の意味)設立。さらに17年に結婚した竹内大助氏が同年2月に慶大野球部の助監督に就任し、結婚3年目にしての同居生活がスタートと、公私ともに日常生活が激変する中でのパーソナリティー就任だった。

 1年前の会見で初めて正式な病名を「自律神経障害です」と明かした上田。「『5時に夢中!』のスタジオに入った瞬間だけ、右手に震えがかなり激しく出てしまう。カメラにも映ってしまうので…。なんで、こうなっちゃうのか、自分でも悔しいところで」と正直に話し、発症の原因についても「4月から(早大)大学院に通ったりとか会社を立ち上げたりとか、いろいろなことが始まるけど、それは全く関係なくて。スケジュールがないとか、夫と別居婚していたからとかは全く関係なくて…。そこが原因じゃないというのは、きちんとお話したいです」と続けていた。

 さらに「基本的に動いてないと死んじゃうタイプなんで。ヒマが苦手なんですよ。何かしらやってたいというタイプなので。いろいろなことに挑戦したいと思ってますし、今回の『なな→きゅう』も自分にとって、人生の新しいチャンスであり、責任も感じながらやらせていただきたいです」と一気に続けていた。

 フリーアナ、タレント、大学院生、会社社長、そして主婦―。「動いてないと死んじゃう」という言葉通りの毎日を送りながら「自分でどんどん動いていきたい。いろいろなことにトライしたい。人生、もう33になるんで。やばいな、あと50年生きられるかな、時間ないと思って生きているんですよ」と勢いよく訴えていた横顔をくっきりと覚えていたから、1年4か月後の今、聞いてみた。

 「1年前は体調不良、所属事務所退社、自身の会社設立など激動の中でのラジオ初挑戦でした。まさに激動の1年を経た今、体調などの変化は?」―

 大きな目でこちらを見ると、「おかげさまで元気でやっておりまして。大きな崩れもなく、何より『なな→きゅう』って、出演者のもスタッフさんも、皆さん、親身になって一緒にやって下さっていて」と答えると、「事務所に所属していないので、いろいろな仕事を自分で判断してやっています。基本的になんでも仕事をお受けしようと思っているんですけれども、『なな→きゅう』のためになるかどうかをいつも考えていて、一緒に楽しいものを作ろうと言って同じ方向を向いて頑張れるスタッフさんとパートナーのおかげで本当に楽しくやっております」と笑顔で続けた。

 その上で自律神経障害についても「自分の身にああいうことが起こるとはまさかのことだったので、自分自身も動揺はしていました。あの時の不安な気持ちとか、皆さんに迷惑かけて本当に申し訳ない気持ちと情けない気持ちと恥ずかしさと悔しさが強くあったので…。だからこそ、いただいている仕事を頑張ろうと思ってますし、手探りの状態ですが、なんとか、楽しく好きなことをやれています」と、まっすぐ、こちらを見て答えてくれた。

 何一つ隠さない率直な答えに心を揺さぶられ、さらに聞いた。

 「去年、印象的だったのが『私は動いていないと死んじゃう』という言葉でした。主婦にタレント、会社経営と、その大いに手を広げた生活は相変わらずですか?」―。

 そう聞くと、上田は爆笑した後、「相変わらずですよ。よくリスナーさんにも『まりえちゃん、結婚していたの?』って、びっくりされるんですけど…。昨シーズンからはバスケのBリーグの現場にも行ってまして。大好きなバスケの仕事をしたいと週末2泊3日で会場を転々としたりしてます。3か月で30試合見に行きました。バスケも少しずつ仕事になっています」と、相変わらずのエネルギッシュな日々を明かしてくれた。

 写真撮影の際には大きくスリットの開いたロングワンピースからのぞく美脚も披露。「グラビアの仕事はお断りしていたんですけど、プロデューサーには『なな→きゅう』がヤバい、ピンチとなったら、私、脱ぎますと言っています」と堂々と宣言。その番組愛がビンビンに伝わると同時に「ああ、この人は『なな→きゅう』という番組と、その共演者やスタッフに救われたんだな」と、私は思った。

 どんな人気タレントも、トップ俳優も、結局は一人の人間に過ぎない。1年前の上田のように多忙な日々の中、心がすり切れ、疲れ切ったりした時にいかにそばにいてくれる人がいるか、話を聞いてくれる人がいるか、柴田のように自分のことを大切に考えてくれる人がいるかは、とても重要だ。

 もちろん、家族は大きな支えになるが、自分が人生の多くをかけている仕事の現場での仲間のバックアップ、さりげない言葉がどれほど支えになるかは、中年サラリーマンの私にも経験上、良く分かる。個人的なことを書くことを許してもらえるなら、自分自身が逆境にあった時に救ってくれたのは、一人の同僚の心からの言葉だったりした。

 だから、自律神経障害を克服して、居並ぶカメラの前で照れながらも美脚と笑顔を見せる上田の姿に番組スタッフと言う「仲間」に恵まれた幸せを感じ取ったし、私も誰かを支える人間でいたいな―。不遜ながら、そんなことも思った。(記者コラム・中村 健吾)

 ◆上田まりえ(うえだ・まりえ) 1986年9月29日、鳥取県境港市生まれ。33歳。専修大文学部卒業後、09年に日本テレビにアナウンサーとして入社。14年には「とっとりふるさと大使」に就任。16年2月、同局を退社し、フリーアナウンサーとして松竹芸能入り。TOKYO MX「5時に夢中!」の月~木曜アシスタントとして人気者に。19年3月、松竹芸能を退社し、自身の会社「ドゥ・ストレート」設立。アスリートのマネジメント業務なども手掛ける。昨年3月には早大大学院スポーツ科学研究科修士課程を修了。夫は現在、慶大野球部助監督の竹内大助氏。血液型A。

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