コロナ禍での新真打ちの披露目代替開催に尽力 市馬会長、正蔵副会長の英断と気遣い

落語協会の柳亭市馬会長(左)と林家正蔵副会長
落語協会の柳亭市馬会長(左)と林家正蔵副会長

 トップのさりげない優しさが見えた。落語協会は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、途中で中止していた落語協会の真打ち昇進襲名披露興行の代替公演を8月に開催することを決めた。

 たん丈改め三遊亭丈助(58)、春風亭一左(41)、歌太郎改め三遊亭志う歌(38)、柳亭市楽改め6代目・玉屋柳勢(39)、三遊亭歌扇(48)の5人の披露目は、3月下席の上野・鈴本演芸場でスタートしたが、4月上席の新宿末広亭も3日で中断。4日以降、寄席が休席となり、わずか11日間の披露目で中止となっていた。

 柳亭市馬会長(58)は「(真打ち昇進は)一生に一度のことだし、(鈴本以外の)他の寄席は出ていないし、非常事態ですから」と対応を検討。理事会で諮り8月上席の新宿末広亭(夜の部)、同月中席の浅草演芸ホール(夜の部)、同月下席の池袋演芸場(昼の部)で代替公演を行うことを決めた。

 当初の予定では新宿末広亭は市馬会長が、浅草演芸ホールは林家正蔵副会長(57)がトリを務めることが決まっており、会長、副会長が新真打ちのためにトリを譲った形となる。市馬会長によれば、池袋演芸場は正蔵と柳家三三(46)がトリの予定だったという。

 市馬会長は「英断っていうほどのことじゃないよ。都合が良かっただけ。たまたま8月は(正蔵副会長と)我々のトリが決まっていたから、何とかそれに合わせてね。寄席にも迷惑をかけましたけど協力してくださって」とさらりと語った。6月に鈴本演芸場の公式YouTubeチャンネルで、真打ち昇進披露興行を配信した際には、昼の部は正蔵が、夜の部は市馬が口上に並び、新真打ちを叱咤激励し、視聴者には応援を呼びかけていた。

 落語は座布団の上に座って一人で語る芸能で、個人事業主の最たるものというイメージも強い。それでも若手のために、自らの出番を差し出し、ことさらアピールをすることもない市馬会長、正蔵副会長の振る舞いに、大所帯をまとめ上げる度量の深さを感じた。あとは、コロナ禍が少しでも落ち着いて、夏の披露目が無事行われることを祈っている。(記者コラム・高柳 義人)

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