「渡辺棋聖の事前研究VS藤井七段の体力回復」関西の雄・久保利明九段が棋聖戦第4局を占う 

史上最年少でのタイトル獲得が懸かる藤井聡太七段
史上最年少でのタイトル獲得が懸かる藤井聡太七段

 将棋の藤井聡太七段(17)が渡辺明棋聖(36)=棋王、王将=に挑戦している第91期棋聖戦5番勝負第4局が16日に大阪市福島区の関西将棋会館で行われる。

 決戦前日の15日、藤井は木村一基王位(47)に逆転勝ちして2連勝を飾った王位戦第2局(13~14日)を戦った札幌市から空路で大阪入りした。

 対戦成績2勝1敗と先行しており、勝てば17歳11か月でのタイトル獲得。1990年に屋敷伸之九段(48)が樹立した18歳6か月の史上最年少記録を30年ぶりに更新する。19日に18回目の誕生日を迎えるだけに「17歳タイトルホルダー」へのラストチャンスになる。

 渡辺は13日に関西将棋会館で行われた王座戦決勝トーナメント準決勝で豊島将之竜王・名人(30)に快勝した後、連泊滞在で藤井戦に備えた。カド番の第3局を制しており、本局は戦型選択などで主導権を握りやすい先手番。一気の逆王手を狙う。

 関西将棋会館は関西所属の藤井にとって奨励会時代から慣れ親しんだホーム。同会館での勝率は・868。通算勝率・843をさらに上回る。一方、東京所属でアウェーであるはずの渡辺も同会館での勝率は・679。通算勝率・664より高い数字を残している。

 関西の雄・久保利明九段(44)は、「先手番の渡辺棋聖は思い描いた局面に向けて自分の指したい将棋を指すでしょう。矢倉にしても角換わりにしても深く事前研究をする作戦巧者。先の先まで準備した局面に進むかもしれません」と展望する。挑戦者は王位戦第2局から中1日。長距離移動後の決戦になるだけに「いかに体力回復できるか。キツいとは思いますけど、勝つ棋士の宿命ですから」とコンディションの充実がカギとみる。

 タイトル獲得7期を誇る実力者は、「AIの最善手を超える手が現れたり、タイトル戦の中でも特にレベルの高い戦いだと思います」と過去3局を振り返った。16日は中継するABEMAで解説を担当するが「2人の将棋をちゃんと解説できるようについていかないと…」とおどけつつ「最高の舞台での最高の将棋を見て勉強したい、という棋士としての純粋な思いがあります」と心待ちにした。

 久保九段は通算3勝2敗と勝ち越している藤井と今期の竜王戦決勝トーナメントで再び激突する可能性がある。また、通算16勝21敗と長年にわたってしのぎを削っている渡辺とも、王座戦挑戦者決勝トーナメントでもう1勝すれば、挑戦者決定戦で再び相まみえることになる。

 対戦相手を研究する視点もあるのだろうか。「いや、本当に対戦が決まるまで私は意識しないんです」。座右の銘は「前後際断」。禅の言葉で、今に集中する、という意味。無心のまま最高水準の一局を見つめる。(北野 新太)

 ◆久保 利明(くぼ・としあき)1975年8月26日、兵庫県加古川市生まれ。44歳。淡路仁茂九段門下。86年、棋士養成機関「奨励会」入会。93年、17歳で四段(棋士)昇段。2009年から棋王3連覇、10年から王将2連覇、16年から再び王将2連覇。タイトル通算7期。攻め駒の芸術的な活用術で「捌き(さばき)アーティスト」の異名を持つ。「軽く捌く」を語源に「カルサバ流」とも。振り飛車党。15日にツイッターを開設した。

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