◆明治安田生命J3リーグ第4節 讃岐0―3今治(15日・Pikaraスタジアム)
9試合が各地で行われ、元日本代表監督の岡田武史氏(63)がオーナーを務める今治が、讃岐との四国ダービーを3―0で制し、J3初勝利を挙げた。前半11分にMF玉城峻吾(29)が先制点を挙げると、後半4分に今季初先発のFW片井巧(24)、同35分にはMF岡山和輝(26)が追加点を挙げた。
待ちに待ったJ初勝利だった。14年10月に岡田氏がオーナーに就任して以来、ようやくたどり着いたJの舞台。四国ダービーに3―0で完勝したリュイス監督(39)は「今治にとって歴史的な初勝利。応援してくれた今治の全てのファンにささげたい」と、岡田オーナーの思いを代弁した。
今治で育った選手たちが白星を呼び込んだ。この日は開幕から3戦連続で先発した元日本代表DF駒野友一(38)がベンチ外、同MF橋本英郎(41)もベンチスタートとなった。昨季戦力アップのために獲得した2人だが、もう一つの狙いがあった。昨季指揮を執り、J3昇格に導いた小野剛氏(日本協会技術委員会副委員長)は「岡田さんと話をして、若い選手を育てるための補強をしようと。彼らがプロとしての生きざまを見せてくれたことで、若い選手が大きく学んでくれた」と明かす。
その成長した選手たちが躍動した。1点リードの後半4分にカウンターから得点した片井、同35分にダメ押しの3点目を挙げた岡山は、ともに大学から今治に加入した。J未経験の“今治産”の選手たちが、Jの舞台で戦えると判断したからこそ、今季はあえて大型補強はしなかった。
6月27日の岐阜との開幕戦を視察した岡田オーナーが「方向性は間違っていない。このままやっていけば必ず結果は出る」と話していた通り、4試合目で初白星を手にした。だが、岡田氏が見つめるのは、はるか先。「今治で育った選手が世界で戦っていく」。その日まで、まだまだ挑戦は続く。