千葉県佐倉市の京成線沿いの斜面に、近所で飼われていたヤギ1頭が逃げ出し、約2か月すみ着いている。飼い主の60代男性は、13日にもヤギの好物のイモを釣りざおに付けて捕獲しようと考えていたが「釣り針が口に引っかかったら痛いですよね。痛い思いはさせたくない」と断念した。
男性によるとヤギはメスで、生後3か月だった5月初旬にペットショップで購入。水田の除草用に飼っていたが、約2週間後の5月中旬に1メートルほどのサクを跳び越え脱走した。土砂崩れ防止用のコンクリート製の斜面は、京成電鉄の敷地で、高さ約20メートル、幅約400メートル。すぐ近くを電車が走るが、同社は「現状は運転に支障はない」としている。
何度か捕獲が試みられたが、急斜面のため難航。ヤギはこの日も所々に生えている草を食べ、軽快に移動していた。飼い主は名前を付けていなかったが、最近「“崖の上”にいるから『ポニョ』」と命名。「逃がした私に全責任がある」とした上で、「ヤギにとってはここにいるのが一番幸せ。皆さんのご理解が得られればいさせてあげたい」と希望した。(竹内 竜也)