三谷幸喜氏「大地」の劇場再開は盛況も、コロナ禍を痛感させられたカーテンコール

三谷幸喜氏
三谷幸喜氏

 脚本家で映画監督の三谷幸喜氏(59)作・演出の最新作「大地(Social Distancing Version)」(大泉洋主演)が1日、東京・渋谷のPARCO劇場でスタートした。4月の「ピサロ」(渡辺謙主演)の中止以来3か月ぶりの劇場再開となった。

 新型コロナウイルス感染拡大防止の対策はバッチリで、マスク着用の義務化、劇場に入る前の検温、手と靴の消毒、トイレにも靴の消毒液が置いてあるほど。客席は、左右で1席空けてソーシャルデスタンスも確保されていた。三谷氏の最新作かつ、コロナ禍で舞台が見られなかったこれまでのうっぷんもあってか、会場は“満席”。出演者の距離も計算されており、主演の大泉洋(47)と竜星涼(27)のケンカのシーンではつかみ合ったりせず、枕を投げるなど3密を避ける演出上の工夫もあった。

 同作は東欧の架空の国を舞台にした群像劇。コロナ禍の現状と劇中の映画や舞台を取り締まる設定が重なる。三谷氏が「舞台俳優は演劇に携わることができず、演劇関係者も苦労している。同じような設定です。本を書いたのは去年ですが、何という先見の明。我ながら驚いています」と話していたように、作品内容と現状の重なるところが多い。

 実際に観劇し、内容にも満足だったが、コロナ対策を優先するが故に、カーテンコールでは不完全燃焼なところもあった。舞台の終わりに、キャスト陣があいさつに現れ、そこで観客は惜しみない拍手を送る。普段、カーテンコールは複数回行われ、終盤になるにつれて観客はスタンディングオーベーションでキャストを出迎えるが、今回は1回のみ。終了早々に「新型コロナウイルス感染拡大防止のため、カーテンコールは1回のみです。劇場にいても何もありません」とアナウンスが鳴り響いた。

 あまりにもあっけないカーテンコールに、観客からは「なんか物足りない」「スタンディングオーベーションしたかったけど、コロナ禍でやっていいのか迷ってたら、タイミングを逃した」「様子見してたらカーテンコールが終わった」と口にして帰路に着く人が多くいた。映画や舞台など、エンタメ業界が徐々に戻りつつある中だが、まだまだ日常に戻るのは時間がかかりそうだ。(記者コラム)

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