8日の中長距離シリーズレース第2戦・ホクレンディスタンスチャレンジ深川大会女子3000メートルで18年ぶりに日本新記録を樹立した田中希実(20)=豊田自動織機TC=が9日、北海道・旭川市内で取材に応じた。
02年に福士加代子(ワコール)がマークした8分44秒40を3秒以上上回る8分41秒35。快走から一夜明けた田中は「日本新の喜びもあるけど、(8分)30秒台が見えた手応えの方が今は大きい」と心境を明かした。終始先頭を引っ張り続けての日本新。その価値はもちろん、伸びしろも無限大の20歳だ。
4日には1500メートルで4分8秒68の日本歴代2位の好記録をマーク。ホクレンシリーズ4戦に加え、兵庫県選手権で2種目に出場予定で、今月は4~18日で計6試合というハードスケジュール。指導する父・健智さんは「この先も試合がどうなるかわからないということも考慮した。調子もいいので、記録を出せるうちに出そうと話し合った」と説明した。
本職の5000メートルに出場する15日の網走大会では、日本歴代2位の自己記録(15分0秒01)の更新はもちろん、05年に福士加代子が樹立した14分53秒22も視野に入る。田中は「5000メートルで15分を切るイメージはできている。連戦になるが疲労を残さないようにして、また準備して臨みたい」と燃える。
クラブチームに所属しているが、同志社大スポーツ健康科学部で学ぶ大学3年生。もちろん、ホクレンシリーズ中もオンライン授業やレポート提出をこなしながらレースに出場。文武両道の新エースはまだまだ止まらない。
◆田中の6連戦
〈1〉7月4日 ホクレン士別大会1500メートル=4分8秒68(日本歴代2位)
〈2〉同8日 ホクレン深川大会3000メートル=8分41秒35(日本新)
〈3〉同11日 兵庫県選手権1500メートル
〈4〉同12日 兵庫県選手権800メートル
〈5〉同15日 ホクレン網走大会5000メートル
〈6〉同18日 ホクレン千歳大会3000メートル