田中希実、女子3000m18年ぶり日本新「ラストしっかり上げられた」福士加代子の記録3秒以上更新

◆陸上ホクレン・ディスタンス チャレンジ深川大会(8日、北海道・深川市陸上競技場)

 中長距離シリーズの第2戦が行われ、非五輪種目の女子3000メートルで19年ドーハ世界陸上5000メートル代表の田中希実(20)=豊田自動織機TC=が、8分41秒35の日本新記録をマークして優勝した。02年に福士加代子(ワコール)が樹立した8分44秒40を18年ぶりに更新。4日の1500メートルも日本歴代2位の好記録(4分8秒68)で勝っており、本職の5000メートルに出場する15日の網走大会に向けても大きな弾みになった。

 153センチの小さな体が、一気に加速した。従来の日本記録からやや遅れる通過タイムで迎えたラスト1周。田中は「タイムを細かくクリアするより、感覚で進めたことでラストもしっかり上げられた」。ヘレン・エカラレ(豊田自動織機)を置き去りにしてスパートをかけると、18年破られなかった大記録を3秒以上、上回ってゴールに飛び込んだ。

 才能が花開いた。兵庫・西脇工高時代は3年連続でインターハイ入賞。同志社大に進んだが、「トラック種目で世界と戦いたい」とクラブチームに所属して父・健智さんの指導を受ける。母・千洋さんも北海道マラソン優勝2回の市民ランナーという一家で、小学生時代から自然と走り始めていた。

 コロナ禍で、ここまでのレース予定はゼロに。「大会もないのに、どうしてこんなキツイことをしないといけないのだろう」と練習で考え、立ち止まることもあった。練習内容をめぐり、父とケンカもした。だが、実戦形式の練習で緊張感と集中力を養うと「走ること自体が楽しくて仕方なかった」と思えるようになった。1500メートルと5000メートルは日本歴代2位。ようやく日本記録をつかんだ。(太田 涼)

 ◆田中 希実(たなか・のぞみ)1999年9月4日、兵庫・小野市生まれ。20歳。小野南中で本格的に陸上を始め、3年時の全中1500メートル優勝。西脇工高では全国高校総体で3年連続入賞。2018年U20世界陸上3000メートルで日本人初優勝。同志社大スポーツ健康科学部に進むが、クラブチームに所属して競技を続ける。19年ドーハ世界陸上5000メートルで日本歴代2位の15分0秒01をマークして14位。153センチ、41キロ。家族は両親と妹。好きな授業はアイルランド文学。

 ◆女子5000メートルの東京五輪への道 日本の出場枠は最大3。代表選考要項は未定で、来年の日本選手権が主要選考会になる見通し。日本選手権は12月4日にヤンマースタジアム長居で開催されるが、世界陸連が定める五輪予選対象期間(20年12月1日以降)に含まれるため、一部の代表が決まる可能性もある。参加標準記録は15分10秒で、田中はドーハ世界陸上決勝(15分0秒01)で突破済み。

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