◆JERAセ・リ-グ 中日1―2ヤクルト=延長10回=(7日・ナゴヤドーム)
中日が致命的な采配ミスで逆転サヨナラ勝ちを逃した。1―1の同点で突入した延長10回、8番に投手・岡田、9番に捕手・加藤を起用。ベンチ入り野手を使い果たしたにもかかわらず、1点を勝ち越されて迎えた10回裏2死満塁で8番の岡田に打順が巡った。投手の三ツ間が代打に送られたが、空振り三振で万事休す。与田監督は「完全に僕のミス」と頭を下げた。
登録も29人 痛恨の采配ミスが招いた「代打・三ツ間」だった。1点を追う延長10回2死一、三塁。7番・京田が申告敬遠で満塁となり、8番の投手・岡田に打順が回った。逆転サヨナラの絶好機。しかし“代打の戦力”は残っていなかった。16人の野手は既に使い切っており、苦肉の策で起用した投手・三ツ間も打席で懸命に粘ったが、最後は空振り三振で試合が終わった。
試合後、不可解な代打起用の意図を聞かれた与田監督は「(9番)加藤と(8番)岡田のところをね。完全に僕のミス。一人残しておかないといけないところを迷ってしまった。最終的にそこの判断を誤った」と采配ミスを認めた。10回の守備に入る際、より早く打順が回る8番に投手・岡田を入れ、9番に残り最後の野手だった捕手・加藤を起用した。「8番・加藤」「9番・岡田」としていれば、最後は加藤のバットに希望を託すことができた。
準備のまずさも響いた。今季は新型コロナの特例で1軍の出場選手登録枠が「31人」に増えたが、この日の中日の登録は「29人」。5日に抹消された吉見に代わって2年目の勝野が1軍に合流したが、登録はされず、週末の先発投手1枠分を考慮しても、登録枠が1つ余っていた。2軍から野手を一時的に補充する手も考えられたが、登板予定のない岡野をベンチ入りメンバーに残してまで見送り。結果的に野手不足を招いた。指揮官も「あと1人何とか予備のために置いておくこともしなかったので、そういったことも含めて監督責任」と反省しきりだった。
今季初のサヨナラ勝ちの瞬間を見届けようと、控え投手も集結した10回裏のベンチ。むなしい結果に疲労感だけが残った。(長尾 隆広)