3か月ぶりに帰ってくる月9「SUITS2」…今、問われるコロナとの闘いの中でのドラマ作り

「SUITS/スーツ2」主演の織田裕二。鈴木保奈美との息の合ったやり取りも大きな魅力だ
「SUITS/スーツ2」主演の織田裕二。鈴木保奈美との息の合ったやり取りも大きな魅力だ
コロナ禍の中、人気ドラマの制作、放送に苦慮しているフジテレビ
コロナ禍の中、人気ドラマの制作、放送に苦慮しているフジテレビ

 俳優・織田裕二(52)主演のフジテレビの看板ドラマ枠「月9」の「SUITS/スーツ2」(月曜・後9時)が、やっと帰ってくる。

 同ドラマの27日からの放送再開を発表したフジ。4月13日放送の第1話で11・1%の世帯視聴率(数字はビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。同月20日の第2話放送後、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3か月にわたって放送を休止していた4月クールの目玉ドラマが、ついにお茶の間に戻ってくる。

 全米で大ヒットを記録したドラマ「SUITS」のシーズン2が原作。織田演じる負け知らずの敏腕弁護士・甲斐正午と「Hey!Say!JUMP」の中島裕翔(26)演じる経歴詐称の天才ニセ弁護士・鈴木大輔役の2人がさまざまな訴訟に向き合い、問題を解決していくリーガルドラマ。18年放送の「スーツ1」では、91年の名作ドラマ「東京ラブストーリー」で恋人役だった織田と鈴木保奈美(53)の27年ぶりの共演でも大きな話題を呼んだ。

 フジ肝いりの話題作だったが、コロナの影響で撮影ができない事態に陥り、3か月に渡り放送休止。その間、フジは2018年放送の「コンフィデンスマンJP」、14年放送の「鍵のかかった部屋」、そして、00年放送の「やまとなでしこ」と過去の人気ドラマの再放送でつないできた。

 そして、やっと復活の時が来た。

 今月3日、東京・台場のフジテレビで行われた遠藤龍之介社長(64)の定例会見。4、5月と定例会見を中止。3月27日以来の記者を招いての開催となった会見は記者にも消毒、検温を徹底し、席の間をたっぷり空ける形。前列に並んだ遠藤社長以下6人の幹部も大きなアクリル板ごしの返答となった。

 席上、放送延期された4月クールの民放連ドラの中で唯一、放送の再開日が公になっていなかった「スーツ2」に関する質問が当然のように出た。

 編成担当の石原隆取締役(59)は、まずコロナと闘いながらのドラマ作りについて、「ドラマは4月の7日、緊急事態宣言が出された時から撮影をストップしました。スタジオの収録もロケーションもドラマに関しては撮影を止めておりました」と説明。「6月の上旬から月曜9時枠の『SUITS』、木曜10時枠の(石原さとみ主演の)『アンサング・シンデレラ』の2番組の撮影を再開しました。当初とは違うスタイルで感染症対策を施しながらの撮影となりました」と続けた。

 撮影時の苦労についても「台本を一部書き換えたり、ロケーションをスタジオに持っていったり、リハーサルの時はフェイスシールドを着けたり、いろいろな工夫をしながら再開をしております」と具体的に説明した石原氏に最も気になるポイントへの質問が飛んだ。

 「『SUITS』は最終的に何話放送となるのか?」―。

 それは3か月前の社長会見で私が石原氏に問いかけた言葉の“再放送”のような質問だった。

 「スーツ2」は、そもそも今年7月24日から8月9日までの開催が予定されていた東京五輪の生中継をにらみ、通常の3か月1クールでなく、13放送回以上のロングラン放送となることが決まっていた。

 しかし、五輪は来年7月23日開幕と1年延期が決定。「『スーツ2』は一体どうなるのだろう」と思った私は、3月27日、場所も同じフジの大会議室で、石原氏にそのまま聞いた。

 「五輪の延期でイレギュラーな形での放送を予定していた『スーツ2』はどうなりますか?」―。

 質問に対して、常に丁寧にまっすぐな答えを返してくれる石原氏は「台本も制作し、全体の流れもできていますが、それを変更するのか、その通りやる(放送する)のか、現在、検討中です」と返答。重ねて「13回以上放送することには変わりがないのか?」と聞くと、「それも含めて検討中です」と言う答えが返ってきた。

 それから3か月が経過した。五輪延期問題に続き、今度はコロナに翻弄されている形の「スーツ2」。3か月経って繰り返された質問に石原氏は、まずコロナとの闘いの渦中でのドラマ作り全般について、「今後のコロナの状況もありますし、これまでと違うスタイルの撮影になっている。リハーサルのスタイルが違ったり、密集したシーンや例えばキスシーンなどの接触を避け、安全を確保した撮影状況などがあるので、当初の撮影状況とは多少、変わってきています」と説明。

 その上で「そのために撮影の進行具合が見えないところがありまして、話数も極めてまれなことですが、調整しつつ撮影を進めています。台本はもちろん先行していますが、(撮影と)並行して作っておりますので、話数については申し上げられないという感じでございます。基本的には当初、発表していた通りのストーリーで進んでいくことは間違いないんですけど、話数については調整中ということにさせて下さい」と明らかに困った表情で続けた。

 三谷幸喜氏(58)と組んでの「古畑任三郎」、「王様のレストラン」、さらには「やまとなでしこ」などの大ヒットドラマを連発してきた名プロデューサーとして知られる石原氏を持ってしても、「スーツ2」の“これから”が読めない状況にあるのは確か。ドラマ作りのプロ中のプロでさえ、暗中模索なのが、コロナと闘いながらのドラマ制作の現状なのだ。

 他局でも、テレビ朝日の“決断”が大きな話題を呼んだ。

 木村拓哉(47)主演の「BG~身辺警護人~」(木曜・後9時)が初回の平均視聴率で世帯17・0%。個人9・4%のロケットスタートを見せたにも関わらず、今月いっぱい、わずか7回ほどの話数で終了させることを発表したのだ。

 各局の看板ドラマすら翻弄するコロナとの闘い。果たして、「SUITS2」はいつまで、そして、何話まで放送されるのか。弁護士事務所を舞台にした華麗な「コンゲーム・ドラマ」にすっかり魅了されている私の願いは一つ。ぜひ、オリジナル脚本に近い形でのノーカット放送を。話数もたっぷり11話くらい―。一視聴者として、それだけを、ひたすら願っている。(記者コラム・中村 健吾)

「SUITS/スーツ2」主演の織田裕二。鈴木保奈美との息の合ったやり取りも大きな魅力だ
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