【箱根への道】走れる“日常”戻った…帝京大、V争いのその先へ

自主練習期間を経て全体練習を再開した帝京大メンバー
自主練習期間を経て全体練習を再開した帝京大メンバー
マスクをして選手に練習メニューを伝える中野監督
マスクをして選手に練習メニューを伝える中野監督
練習で走る帝京大の星岳主将(左)ら
練習で走る帝京大の星岳主将(左)ら

 史上18校目となる箱根Vを狙う帝京大が6月中旬に再スタートを切った。前回は国学院大に3秒差で敗れ4位だったが、往路3人、復路2人が残ったチームは伸びしろ十分。強化に取りかかろうとした矢先、新型コロナウイルスの感染拡大によって約2か月間は自主練習期間となった。ピンチの中でも自立した学生ランナーたちと、選手たちを新春の晴れ舞台に立たせたい中野孝行監督(56)の思いに迫った。(取材・構成=竹内 達朗、太田 涼)

 先が見えない中でも、帝京大の選手たちは走り続けていた。星岳主将(4年)は「箱根駅伝3位以内、出雲と全日本は4位以内という目標のために、今できることをしてきました」とコロナ禍でも練習を続けた。試合日程のメドが立たない中でも集中して走れたのは、仲間たちとタスキをつなぐためだ。

 4月の緊急事態宣言発令後は、各自が組み立てたメニューをこなした。3密を防ぐため、練習は2人1組。時間をずらしながらトラックやロードで行い、記録はスタッフ陣にメールなどで伝えてできる限り接触を避けた。中野監督は「いつまでこの状況が続くか分からなかったので、得意な練習や今できることを中心にメニューを組ませました。継続することが大事だと思ったからです」とモチベーションの維持に配慮した。

 秋から冬にかけて迎える駅伝シーズンで戦う選手たちは、外出自粛などの移動制限以外は“当たり前”のことを積み重ねた。星主将は「手洗い、うがいや消毒などは箱根前にしていることと同じ。あとは自分たちがかからない、広めないように外食を禁止したりしました」。感染源とならない工夫もしながら、チームで危機を乗り越えた。

 4日のホクレンディスタンスチャレンジ士別大会から陸上界も再スタート。大学側がオンラインから対面授業へ徐々に移行していることもあり、チームも6月中旬から集合しての練習を始めた。まずは各選手が現状を把握することから始まるため例年より出遅れた形となるが、指揮官は「試合もあまりないので、焦らず作っていきたい」と前向きにとらえる。

 前回の箱根路はチーム過去最高タイの4位。だが1~3区の小野寺悠(4年)、星、遠藤大地(3年)を中心に、残ったメンバーは強力だ。ハーフマラソンは1時間2分台が3人、3分台が10人とエース級はもちろん、中間層も厚みが増している。ルーキーも全国高校駅伝1区4位の小野隆一朗(北海道栄高出身)らに期待がかかる。

 中野監督は「こうやって頑張る選手を見ていると、結果はどうであっても箱根を走らせたくなる」と胸の内を明かす。ようやくの再出発に星主将は「やっとこうしてみんなと走れて、徐々に日常が戻ってきた感じ。箱根では、まず3位以内。監督には『3位に入るチームはV争いするチーム』と言われているので、その先も目指したい」と声を弾ませる。伸び伸びと走る学生ランナーたちの表情は、どこまでも明るかった。

 ◆帝京大 陸上部は1979年創部。99年に駅伝競走部として分離独立した。箱根駅伝には98年に初出場。最高成績は4位(2000、13、20年)。出雲駅伝、全日本大学駅伝はともに18年の5位が最高。タスキの色は銀に赤の縁取り。大学OBには19年ラグビーW杯日本代表の堀江翔太、姫野和樹、流大、中村亮土、坂手淳史、松田力也らがいる。大学OGは00年シドニー、04年アテネ五輪柔道女子48キロ級金メダルの谷亮子ら。

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