スポーツクライミング・野口啓代、東京五輪を「集大成にふさわしい場に」…リレーコラム

野口啓代
野口啓代

 2018年秋から始めたコラムも今回が最終回。自分のことだけでなく、私を支えてくれる人、ギアなど自分の言葉で伝えるのは初めてでしたが、改めて応援してくれる環境が私を成長、そして強くしてくれていたんだなと実感しています。

 代表選手として競技生活を始めて15年目。始めた頃は五輪種目になるなんて想像もしてなくて、ただただクライミングが好きだから、自分のためだけに登っていました。転機となった16年。東京五輪にスポーツクライミングが追加されました。「あと4年も競技続けられるかな」「複合ってスピードもするの?」と葛藤もあったけど経験したことのない大舞台、五輪に出てみたいと、その長い道のりを歩む決意をしてクライミングと向き合ってきました。

 しかし、その長い道のりも1年間の大会スケジュールをこなしていくと、あっという間。慌ただしく過ぎていく日々の中、自分自身が目指す場所が目の前にどんどん近づいてくるのを肌で感じていた矢先、新型コロナウイルスの影響で史上初の五輪延期となりました。一報を聞いたときは複雑な心境になったけど、「まだ大好きな競技生活ができる」「もう1年どんなトレーニングしよう」とポジティブな方向に気持ちを切り替えることができました。なぜなら、自分がまだ成長している、伸びしろがあると、私自身が自分のクライミングのまだ見ぬポテンシャルにワクワクしていたからです。

 来年の五輪では進化した私をこれまで応援してくれた方々に見てもらいたい、自分らしく登り切りたい、その思いとともに最高の準備をし、最高の夏を迎えたいと思います。競技人生の集大成の場にふさわしい五輪にする。今はこのイメージをさらに膨らませ、実現していくのみ。引退の場を東京五輪と決めてからは、毎日がカウントダウンになるけど競技人生最後の日に一番輝く高みから、これまでお世話になってきたたくさんの方々に、クライミングに、今まで頑張ってきた自分に「ありがとう」を言えるように残された時間を過ごしていきます。

 ◆野口 啓代(のぐち・あきよ)1989年5月30日、茨城・龍ケ崎市生まれ。31歳。11歳の時にグアム島でフリークライミングを体験。2002年に小学6年で全日本ユース選手権を制した。08年ボルダリングW杯で日本女子初優勝。同W杯年間優勝4回(09、10、14、15年)。18年ジャカルタ・アジア大会複合で優勝。19年8月の世界選手権複合銀メダルで東京五輪出場を決めた。165センチ。

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