渡辺彩香、涙の復活V「もう勝てないかなと思った時期もあった」4差逆転5年ぶり通算4勝目

5年ぶりの優勝にインタビューで涙ぐむ渡辺彩香(Getty Images/JLPGA提供)
5年ぶりの優勝にインタビューで涙ぐむ渡辺彩香(Getty Images/JLPGA提供)
PO1ホール目でバーディーを奪い、優勝を決めた渡辺彩香(Getty Images/JLPGA提供)
PO1ホール目でバーディーを奪い、優勝を決めた渡辺彩香(Getty Images/JLPGA提供)
最終日の優勝争い
最終日の優勝争い

◆日本女子プロゴルフツアー アース・モンダミンカップ 最終日(29日、千葉・カメリアヒルズCC=6622ヤード、パー72)

 新型コロナの影響で約4か月遅れのシーズン開幕戦。4差4位から出た渡辺彩香(26)=大東建託=が5バーディー、1ボギーの68で回り、通算11アンダーで並んだ昨季賞金女王・鈴木愛(26)=セールスフォース=とのプレーオフ(PO)の末、月曜日決戦を制した。15年11月の樋口久子ポンタレディス以来、5季ぶり復活Vとなる通算4勝目。ここ2年、得意だったドライバーショットの絶不調に悩み続け、どん底からはい上がり涙を流した。

 静寂に包まれた無観客のコースで1702日ぶりに歓喜が訪れた。18番パー5のPO1ホール目、先にパーであがった鈴木が見守る中、渡辺は4メートルのバーディーパットを放つと、カップに消える前に勝利を確信。全英女子オープンの渋野日向子のように左手でパターを天に突き上げた。「長かったですね。もう勝てないかなと思った時期もあった」と喜びに浸った。

 主戦の川口淳キャディーが涙し、同学年で長いスランプを乗り越えた経験を持つ比嘉真美子(26)らが普段より遠目から祝福した。渡辺は「自分以上に家族や周りが私のことを信じてくれた。応えられてよかった」と涙を拭った。

 28日は荒天で順延し、ツアー23年ぶり2度目の月曜日決戦。「ガツガツやっても空回りする。欲を抑えた」。16、17番で連続バーディーを奪い68。「POで初めて優勝を意識した」と冷静だった。

 ツアー屈指の飛ばし屋として将来を嘱望された大器は、15年に2勝し賞金ランク6位。だが徐々に成績が下降し、ここ2年はドライバーイップスに陥りシードを失った。16年リオ五輪直前、世界ランクで出場圏外の日本勢3番手で迎えた全米女子オープン(7月)、最終日18番で第3打を池に入れ、大山志保に0・01ポイント差及ばず代表の座を逃し号泣した。「リオも行けず、自分に足りないところばかり考えてしまった。迷いがあった」と歯車が狂った。18年10月には翌年からの米ツアー出場権を目指し2次予選会に挑戦。五輪出場への「賭け」は失敗に終わった。

 昨年は30戦中23戦で予選落ちした。「(スポンサー契約先の)ホステス大会で結果を出せない。プロ失格という気持ちになった」。6月の試合では一番好きなドライバーを抜いて戦ったが「それを抜いたら、私に何が残るんだろう」。悩んでいた昨秋、中島規雅コーチに師事し徹底的に持ち球のフェードを一から立て直した。「どんな場面でも左に打ち出し、右に曲げる。血の通ったショットが打てるようになった」と、今季を迎えた。

 凍結中の世界ランクが動き出す時期は未定だが、リオ五輪直前の悔し涙をうれし涙に変えた渡辺は「東京五輪はずっと目標にしていた。(現在452位と)遠い道のりですけど頑張りたい」と前を見据えた。「開幕戦で勝って良い流れができた。年間通して1番になれるように」。女王、若手を退けた26歳は大きな自信を取り戻した。(岩原 正幸)

 ◆彩香に聞く

 ―最後のパットの心境は。

 「『入れる』気持ちより、好きなライン(下りのスライス)だな、と」

 ―優勝の喜びを誰に。

 「やっぱり家族が一番。八つ当たりもして、迷惑かけた部分もあったので」

 ―マネジャーとして支えてくれた妹・祐奈さんがオフに結婚し、静岡の実家を離れた。

 「さみしい気持ちはあるけど、私が頑張って『大丈夫だよ』ってアピールしてあげないと、と思っていた」

 ―ご自身の(結婚の)ご予定は?

 「まだないです(笑い)」

 ◆渡辺 彩香(わたなべ・あやか)1993年9月19日、静岡・熱海市生まれ。26歳。10歳でゴルフを始め、埼玉栄高卒業後、12年7月にプロテストに一発合格。14年3月のアクサレディスでツアー初優勝。15年は4月のヤマハレディースなどで2勝。ツアー本格参戦1年目の13年から5年賞金シード保持したが、不調に陥り、昨季は賞金ランク115位と低迷。2年連続でシード権を逃していた。172センチ、65キロ。

 ◆渡辺の16年全米女子オープン 世界ランク46位の渡辺はリオ五輪前最後の試合となる大会に出場。同22位だった野村敏京はリオ五輪日本代表入りが当確。もう1枠を巡って渡辺は同42位の大山志保、同45位の宮里美香としれつな争いを繰り広げた。単独30位以内に入れば2人を逆転する状況で、通算2オーバーの26位で迎えた最終日の最終18番(528ヤードのパー5)。渡辺は第3打をグリーン手前の池に入れて痛恨のダブルボギー。通算4オーバーの38位で、ほぼ手中にしかけていた五輪切符を土壇場で逃し、号泣した。

 ◆渡辺彩香の優勝用具 ▽1W=J15(ロフト角9・5度、44・75インチ、硬さX)▽3W、5W=ツアーB18X▽4UT=PING G410▽5、6I=ツアーB18X―CBP▽7I~9I、PW=ツアーB18X―CB▽PS(48、52度)=ツアーB XW―1プロト▽SW(58度)=ツアーB XW―B▽パター=グリッドデザイン▽ボール=ツアーB X(UT、パター以外は全てブリヂストンゴルフ製)

5年ぶりの優勝にインタビューで涙ぐむ渡辺彩香(Getty Images/JLPGA提供)
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